物語編
第二章 第五一話 問答編
マサシ 財(ザイ)とは、どういうものですか?
アキラ 財とは、利を介する、得の表れであり、
感謝の象徴として、人々の間を巡るもの。
感謝を伴い、利が巡るとき、利は財となり、
感謝を伴わず、利が巡るとき、利は罪となる。
マサシ 罪(ザイ)とは、どういうものですか?
アキラ 罪とは、利を害する、損の現れであり、
怨嗟の象徴として、人々の間に滞るもの。
怨嗟を伴い、利が滞るとき、利は罪となり、
怨嗟を伴わず、利が滞るとき、利は害となる。
マサシ 諸葛孔明(ショカツコウメイ)は、誰ですか?
アキラ 後漢末、晴耕雨読の日を送っていたが、
劉備に招かれ、軍師となり劉備に仕えた。
蜀の地を得た後は、行政上の能力を発揮し、
天下三分の計を唱え、丞相に就き蜀を治めた。
後漢末の人物鑑定家、司馬徽によって、
天下の逸材、「臥龍」として、評される。
劉備の遺志を継いで、国力を充実に努めて、
蜀軍を率い、魏軍に挑み、北伐を繰り返した。
マサシ 故事「三顧の礼」とは、どういうものですか?
アキラ 劉備は、曹操に敗れて、荊州に逃げた。
彼は、優れた人材を、探し求めていたが、
非凡な人物として、諸葛孔明の名を聞いた。
当時、無名である者の元に、劉備自ら訪れた。
彼の庵を、二度訪れたが会えなかった。
そして、三度目に漸く会うことが出来た。
諸葛亮は、劉備の誠意に、心から感動して、
幕下に入り、方策と忠誠を、君に奉げ続けた。