ＣＡＳＥ　暗鬼　の裏に　明鬼

マナミ　暗がりの鬼、暗鬼って、どういうものなの？
マサシ　暗鬼とは、無い物を見て、有ると見ることさ。
マナミ　う～ん、無いのに有るって、どういうこと？
マサシ　実体が無いのに、実感が有ると、見ることさ。
マナミ　実体が無い幽霊を、実際に居ると、見るの？
マサシ　幽鬼どころか、全てのものを、そう見るのさ。
マナミ　明るみの鬼、明鬼って、どういうものなの？
マサシ　明鬼とは、有る物を見て、無いと見ることさ。
マナミ　う～ん、有るのに無いって、どういうこと？
マサシ　実感が有るのに、実体が無いと、見ることさ。
マナミ　実感が有る幽霊を、実際は居ないと、見るの？
マサシ　幽鬼ばかりか、総てのものを、そう見るのさ。
マナミ　先ず、有るものは有るし、無いものは無いと、
　　　　曖昧ではなく、明確に見ることが、大事なの？
マサシ　そうさ、霊より人の方が、実感が有ると見る。
マナミ　次に、実感は有るけど、実体は無いんだと、
　　　　現実ではなく、真実を見ることが、大事なの？
マサシ　たとえ、人であっても、実体が無いと見る。
　　　　段階を踏まないと、全て鬼に見えてしまうよ。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　暗鬼　の先に　明鬼

サトミ　曖昧に見る、暗鬼って、どういうものかな？
メグミ　暗鬼とは、暗がりの中に、鬼を見ることなの。
サトミ　明確に見る、明鬼って、どういうものかな？
メグミ　明鬼とは、明るみの中に、鬼を見ることなの。
サトミ　う～ん、そもそも幽鬼って、本当に居るの？
メグミ　じゃ、目の前に居る私は、本当に居ると思う？
サトミ　当然よ、眼の前に居るのよ、実際に居るわよ。
メグミ　うん、それと同じぐらい、現実に存在するの。
サトミ　そっか、現実に、幽霊って、存在するんだね。
メグミ　じゃ、目の前に居る私は、本当に居ると思う？
サトミ　自明よ、眼の前に居るのよ、実際に居るわよ。
メグミ　うん、それを疑うぐらい、現実は存在しない。
サトミ　そっか、現実に、幽霊って、存在しないのね。
　　　　って、訳が分からないよ、どういうことなの？
メグミ　暗鬼は、無いものを有ると、認める段であり、
　　　　明鬼とは、有るものを無いと、認める階なの。
サトミ　たとえ、本質的には、実体が無いものでも、
　　　　最初から、実体が無いと、考えたらダメなの？
メグミ　後から、実感が刻して、訳が解らなくなるよ。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　暗鬼　という　明鬼

サトシ　幻想に帰す、暗鬼って、どういうものかな？
アツシ　暗鬼とは、無い物を見て、有ると捕える事だ。
サトシ　う～ん、無い物が有るって、おかしくない？
アツシ　いや、他が見えないから、無いとは言えない。
　　　　誰かが、想像する物は、何処か実在している。
サトシ　じゃ、存在するのは、想像しているからなの？
アツシ　だから、実感が無いと、捕われない方が良い。
サトシ　真実に帰す、明鬼って、どういうものかな？
アツシ　明鬼とは、有る物を見て、無いと捉える事だ。
サトシ　う～ん、有る物が無いって、おかしくない？
アツシ　いや、他が見とめるから、有るとは言えない。
　　　　何処か、実在する物は、誰かが想像している。
サトシ　じゃ、想像するから、存在しているだけなの？
アツシ　だから、実体が有ると、囚われない方が良い。
サトシ　じゃ、見えない者に、捕われてもいけないし、
　　　　さらに、見える物にも、囚われてもいけない。
アツシ　ああ、可能性が有るなら、実現性も在るんだ。
サトシ　そっか、この世界には、可能性が無限に有る。
アツシ　そうだな、そんな世界を、君は創造したんだ。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　明鬼なき暗鬼　と　暗鬼なき明鬼

サトミ　暗鬼と明鬼、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　現と認める、暗鬼って、どういうものかな？
メグミ　暗鬼とは、見えない者に、捕らわれることよ。
サトミ　夢と認める、明鬼って、どういうものかな？
メグミ　明鬼とは、見とめる物に、囚われないことよ。
サトミ　暗鬼を望み、明鬼に臨まないと、どうなるの？
メグミ　明鬼なき暗鬼なんて、白昼夢に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、何を見ていても、現と捕えるのかな？
メグミ　確かに、そう見えるけど、夢とも見るべきよ。
サトミ　明鬼を望み、暗鬼に臨まないと、どうなるの？
メグミ　暗鬼なき明鬼なんて、明晰夢に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、何を見ていても、夢と捉えるのかな？
メグミ　確かに、そう言えるけど、現とも見るべきよ。
サトミ　暗鬼だけでは、鬼を恐れて、幻に囚われる。
　　　　明鬼ばかりでは、鬼を怖れず、幻を捕えない。
メグミ　うん、暗鬼と明鬼、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、明鬼を究め、暗鬼を極めていくの？
メグミ　そうなの、暗鬼を超え、明鬼を越えていくの。
サトミ　……………………！！