第五章　　　　スーフィー
第五八回　地獄　の裏に　煉獄

地獄は、我が意の下に、他と戦う所のこと
煉獄とは、神の意の下に、他と闘う処のこと
我が為に罪を侵すとき、魂は地獄に墜ちて逝き
神の為に悪を犯すときは、魂は煉獄に落ちて行く

地獄では、他の罪と捕え、他を痛め付ける
獄囚は、獄卒に苦しめられ、罪を清めていき
獄卒らは、獄囚を傷めつけて、罪を積んでいく
神の意が解されず、総じて、罪の量が変わらない

煉獄では、神の業と捉え、他を痛め付ける
獄囚は、神の試練と思って、罪を浄めていき
獄卒らは、神の代理と考えて、罪を摘んでいく
神の業が介されて、総じて、罪の量が減っていく

スーフィーとは、イスラム教の奥義であり
忘我の境地となり、神と合一する秘法のこと
我が為に善を司ると、天国でさえ地獄に変わり
神の為に悪を演じると、地獄ですら天国に換わる