物語編
第六章 第四四話 物語編
第六章 旧約 と 新約
第四四話 人に至る教え と 神に至る教え
〔今から、我らは、この愛の教えを広めるため、
人界に生まれ変わり、次の魚座の時代の型を創る。
この事は、かの地にも、預言を通して伝わっている。〕
〔先の牡羊の時代には、旧約の法が伝えられた。
来る次の魚座の時代には、新約の法が広められる。
どうして、時代が移るとき、契約も変るのだろうか。〕
〔智徳よ、白羊宮の旧約とは、如何なるものか。〕
「主よ、獣を人に育てる、悪趣を越える契約かと。
民に、自尊心を抱かせると、欲望に流されなくなる。」
〔智徳よ、どのように、自尊心を抱かせるのか。〕
「主よ、汝らは選ばれし民と、契約の箱を与える。
更に、十の戒律を与えて、下位の煩悩を遮断させる。」
〔法徳よ、双魚宮の新約とは、如何なるものか。〕
『主よ、人を神に道びく、善趣を越える契約かと。
民の、自尊心を砕かせると、慢心に囚われなくなる。』
〔法徳よ、どのように、自尊心を砕かせるのか。〕
『主よ、汝は蝮の子であると、神殿の装飾を壊す。
次に、欲の出家を迫って、上位の煩悩を遮断させる。』
〔妙なることだ、智徳よ、稀なることだ、法徳よ。
旧約を究めよ、その果報により、新約に極められる。〕