第六章　　　　　宝瓶宮
第五十回　意志　の裏に　意思

宝瓶宮とは、人が天に召される時代のこと
天の給仕として、清く美しい少年ガニメデが
ゼウスの目に適い、天に昇り神の許に導かれる
神の宴に仕えるなら、永遠の若さが与えられると

少年は、両親と別れた事を、悲しく思うが
我を忘れ神に仕える内に、悲しみが癒された
我に支えると、喜びと苦しみが、我に囚われる
神に仕えるほど、歓びと悲しみが、神に捕われる

両親は、息子が消えた事を、悲しく思うが
神に召されたと聞いて、喜びの涙に変わった
我に奉げると、喜びと苦しみが、我に返される
神に捧げるほど、歓びと悲しみが、神に還される

意志は、我に支える、我に奉げる心のこと
意思とは、神に仕える、神に捧げる心のこと
人々が、意志を諦めると、宝瓶宮が地に表れて
世の人が、意思を忘れると、磨羯宮が地に現れる