物語編
第六章 第五七話 物語編
第六章 退化 と 進化
第五七話 人が獣になる と 人が神になる
『岩戸に、神が姿を消される、常闇の二千年間。
我らは、神に代わって、人の世を神の法で治める。
何人も寄せ付けるな、これが第一天界の法則である。』
『神の代理人、我らの他に、支配者は要らない。
人の労力を財貨に変え、領主の統治を崩壊させよ。
富豪の財を奪い取れ、これが第二天界の法則である。』
『絶対の理法をして、あらゆる邪魔を打ち砕く。
我らのみ善業を重ねて、彼らには悪業を積ませよ。
悪人は地獄に落とせ、これが第三天界の法則である。』
『我らが同志、神に仕える、純潔の魂を集める。
邪なる愛を流行らせて、家族の愛情を忘れさせろ。
神の社に出家させよ、これが第四天界の法則である。』
『常に神と共にある者に、神の偶像は要らない。
異言や預言を信じ込ませて、言霊の力を奪い取れ。
信じる者は掬われる、これが第五天界の法則である。』
『欲に縛られている限り、神の目が監視できる。
ありとあらゆる欲望と、ありとあらゆる絶望とを。
総べてを適えてやれ、これが第六天界の法則である。』