物語編
第六章 第五八話 概念編
第六章 最後の仕組
第五八回 自業 の裏に 自得
自業は、誰だろうと、自由に因を作ること
自得とは、誰だろうと、平等に果を得ること
確かに、誰であろうとも、自分は特別であるが
未だ嘗て、誰ひとりとして、特別な自分はいない
賤民とは、特殊であると、自らを見るもの
一般の人は、特別であると、自らを見るため
結果的に、普通な存在である、只の賤民になる
皆と同じく、彼らが形となって、時を作っていく
選民とは、特殊でないと、自らを見るもの
普通の人は、例外であると、自らを見るため
結果的に、特別な存在である、真の選民となる
皆と異なり、彼らが型となって、刻を創っていく
最後の仕組とは、選民思想の陥る罠のこと
たとえ、誰であれ、自業自得を逃れられない
賤民の段は、自らだけは、逃れられると考えて
選民の階では、誰だろうと、越えられると考える