物語編
第六章 第六六話 物語編
第六章 仮名 と 真名
第六六話 仮の姿を現す と 真の姿を現す
“そなたは、ひとまず、我が神を、捨てなされ。
そなたの、我が信じる神は、神を信じる我じゃぞ。
我が神を語るのに、神の我を騙るのは、止めなされ。”
“ミロクには、五六七と六六六の、仮名あるぞ。
五六七は、世の善の映し、みな、この名を祝うが、
六六六とは、世の悪の写し、みな、この名を呪うぞ。”
“善の五六七、悪の六六六、どちらも、ミロク。
三六九は、世の業の移し、合わせて、十と八の世。
覚めて下されよ、弥勒の世、いよいよ、近づいたぞ。”
“彼の善の顔を見て、五六七と、思い込むなよ。
それ、我が信じる神と、あくまで、申しておろう。
彼の悪の顔を見せられて、疑い始めるのが、落ちぞ。”
“彼の悪の姿を見て、六六六と、思い込むなよ。
それ、神を信じる我と、よくよく、申しておくぞ。
彼の善の姿に魅せられて、悔い改めるのが、落ちぞ。”
“我が神、捨てたくなるまで、からくり続くぞ。
神の我、深いぞ、最後まで、耐え忍んで下されよ。
その夜明けにこそ、弥勒の浄土、松の世の始まりぞ。”
“涙で目を覚まし、汗で心を洗って、弥勒の下生。
知恵ある者は解きなされ、五六七、の裏の、六六六。”