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物語編

第六章 第五七話 対話編

CASE 退化 の裏に 進化

 

マナミ 霊格が下る、退化って、どういうものなの?
マサシ 退化とは、人から獣まで、堕落することだよ。
マナミ 魂の品格が、下がるときは、どういうとき?
マサシ 神の仕組から、遠ざかるとき、退化するのさ。
マナミ 霊格が上る、進化って、どういうものなの?
マサシ 進化とは、人から神へと、向上することだよ。
マナミ 魂の品格が、上がるときは、どういうとき?
マサシ 神の仕組へと、近づくときに、進化するのさ。
マナミ 進化の秘訣、神の仕組って、どういうもの?
マサシ 報いると、酬われること、カルマの法則だよ。
マナミ 厳格に、教え込まないのは、どうしてなの?
    徹底的に、存在を示せば、進化すると思うの。
マサシ 神の仕組を、押し付けても、固定されるだけ。
    それでは、退化もしなければ、進化もしない。
マナミ 神の仕組が、有るのか無いのか、解からない。
    そんな状況で、近づけるとき、進化できるの?
マサシ 神の御心を、放って置かれても、解せるかさ。
マナミ 神が隠れたら、誰も従がわないと、思うけど。
マサシ うん、多数が退化する中、少数が進化するよ。
マナミ ……………………

 


 

CASE 退化 の先に 進化

 

サトミ 人から獣に、退化って、どういうものかな?
メグミ 退化とは、神を遠ざかり、意が弱まることよ。
サトミ 人から神に、進化って、どういうものかな?
メグミ 進化とは、神に近づいて、意が強まることよ。
サトミ じゃあ、自由意志が無いと、次元が変らない。
    即ち、退化も出来ないし、進化も出来ないの?
メグミ そうよ、天使も動物も、ほとんど変化しない。
    変化って、人間の世界の、類い稀な特徴なの。
サトミ じゃあ、変化をしたければ、天人であろうと、
    わざわざ、人間の世界に、生まれて来るわけ?
メグミ そうよ、総てを忘れて、何を選ぶか試される。
サトミ 神を忘れ、我を覚えると、どうなるのかな?
メグミ 業を重ねて、意が弱くなり、獣に落ちるのよ。
サトミ 我を忘れ、神を覚えると、どうなるのかな?
メグミ 徳を重ねて、意が強くなり、神に上がるのよ。
サトミ 人界って、試験の真最中、試練の場だったの?
メグミ そうよ、落ちるか受かるか、運命の分岐点よ。
サトミ やだ、こんな大事なこと、予め教えといてよ。
メグミ うふっ、そんなことしたら、試験に為らない。
サトミ ……………………

 


 

CASE 退化 という 進化

 

サトシ 獣から人に、育てたい時は、どうするのかな?
アツシ 戒律を与えて、自由を奪って、導くことだな。
サトシ 法を布いて、外を強いると、どうなるのかな?
アツシ 少数のものは、戒律を破って、獣に落ちて、
    大多数のものは、戒律を守って、人に上がる。
サトシ つまり、分別が無い時は、自我に任せないの?
アツシ その通りだ、そういう者に、必要になるのは、
    法を守るほど、必ず良くなる、平等な変化だ。
サトシ 人から神に、育てたい時は、どうするのかな?
アツシ 戒律を奪って、自由を与えて、誘うことだな。
サトシ 法を負かし、内に任せると、どうなるのかな?
アツシ 少数のものは、自由を使えて、神に上がり、
    大多数のものは、自由に支えて、獣に落ちる。
サトシ つまり、分別が有る時は、自我に任せるの?
アツシ その通りだ、そういう者に、必要になるのは、
    自ら負うほど、神に近づける、自由な責任だ。
サトシ なるほどね、自由に成ってから、本番なんだ。
    今迄の苦労が、無駄に為ることも、有るしね。
アツシ 君も、ここまで来たな、後は、自分で考えろ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 進化なき退化 と 退化なき進化

 

サトミ 退化と進化、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 階が下がる、退化って、どういうものかな?
メグミ 退化とは、神を認めない、界に下がることよ。
サトミ 階が上がる、進化って、どういうものかな?
メグミ 進化とは、神を見とめる、界に上がることよ。
サトミ 退化を望み、進化に臨まないと、どうなるの?
メグミ 進化なき退化なんて、変化が出来なくなるよ。
サトミ じゃ、我を見てばかり、有り勝ちになるの?
メグミ そうよ、我を求めないと、神を離れられない。
サトミ 進化を望み、退化に臨まないと、どうなるの?
メグミ 退化なき進化なんて、変化が出来ないだけよ。
サトミ じゃ、神を見てばかり、有り勝ちになるの?
メグミ そうよ、神を探さないと、神に近づけないよ。
サトミ 獣は、我が当り前で、退化が出来なくなり、
    天使は、神が当り前で、進化が出来なくなる?
メグミ うん、動物も天人も、変化が出来ないのよ。
サトミ そっか、退化が無いと、進化も無くなるのね。
メグミ 宇宙は広いけど、変化するのは、人間界だけ。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 秘 密 結 社

 

マサシ 君たちは、秘密結社を、知っているのかい?
    天の教えで、地を治める、組織が隠れている。
サトシ そんなの、知らないよ、どうして、匿すわけ?
マサシ とても、地の人には、受け容れられないし、
    凡そ、誤解されるから、秘密にしてあるのさ。
サトシ う~ん、おかしいな、どうして、誤解するの?
マサシ 地の法と、天の法では、真逆の教えだからさ。
    天の教えを、地に解くと、人は獣に堕落する。
サトシ いやいや、その話なら、良く知っているよ。
    人類を、獣に堕落させる、陰謀のことだよね。
マサシ それこそ、好奇心に止まる、誤解なんだよ。
    本当は、神に進化させる、神謀のことなのさ。
サトシ いやいや、悪魔崇拝の、666のことだよね。
    聖書に、獣の数字だって、警告してあったよ。
マサシ それこそ、当然だよね、神の秘密を守るため、
    安易に、近づかないよう、記しておいたのさ。
サトシ 666が、生命の実を守る、天使だってわけ?
    う~ん、信じられないな、虚言は良くないよ。
マサシ まだ、君には早いようだね、すべて忘れてよ。
サトシ ……………………

 


 

CASE 自 由 の 石 工

 

マサシ これもしちゃダメ、あれもしちゃダメって、
    こんな環境で、人間は成長すると、思うかい?
サトシ 全く思わないよ、自分の好きにさせて欲しい。
マサシ うん、僕らは、いつでも、そうして来たのさ。
サトシ 迷信に、支配された時代は、どうして来たの?
マサシ 人が、目を覚ますように、科学を教えたのさ。
サトシ 領主に、支配された時代は、どうして来たの?
マサシ 人が、力を合わすように、革命を促したのさ。
サトシ 資本に、支配された時代は、どうして来たの?
マサシ 全て、リセットするよう、恐慌を起したのさ。
サトシ そっか、隠れた所から、助けてくれたんだね。
マサシ うん、そして、いよいよ、最終段階が来たよ。
    最後は、欲望を越えて、僕から卒業するんだ。
サトシ えっ、もう、人類を、助けてはくれないの?
マサシ 僕らが、もう、完全に、支配しちゃったから。
    代わりに、支配してたら、助けた意味が無い。
サトシ 嫌だよ、今まで通りに、人類のこと助けてよ。
マサシ 助けたら、甘え続けたよ、その結果がこれさ。
    これからは、好きにしなよ、僕は強制しない。
サトシ ……………………

 


 

CASE 西の京の大学 と 東の京の大学

 

マサシ 性格の異なる、二つの大学を、創ってみたよ。
サトシ 指導が多く、課程を干渉したら、どうなった?
マサシ 万人の及第と、一人の落第が、生まれたのさ。
サトシ 指導が寡く、課程を放任したら、どうなった?
マサシ 万人の落第と、一人の天才が、生まれたのさ。
サトシ やはり、自由というものは、諸刃の剣なのか。
マサシ うん、使い熟なせるなら、良薬に為るけど、
    反対に、使い熟せないなら、猛毒に為るのさ。
サトシ すなわち、国家としては、締め付けた方が、
    都合の良い、人材が増える、というわけだね。
マサシ そうだよ、器が小さい国家は、そう考える。
    でもね、器が大きい国家は、そうは考えない。
サトシ 器が許す、考えられる限りの、自由を与えて、
    その中から、変異が起こるのを、待つのかな?
マサシ 耐え難い犠牲、その先に続く、代え難い進化。
    実際、人類の進化を促がす、計画が有るのさ。
サトシ う~ん、そんな器が大きい国、どこに在るの?
マサシ おそらく、大き過ぎるから、見えないと思う。
    国境さえも、要らないと、考えているからね。
サトシ ……………………

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