第六章 第六三話 対話編
CASE 人民 の裏に 神民
マナミ 人となる民、人民って、どういうものなの?
マサシ 人民とは、神を忘れ去り、我に疲れる民だよ。
マナミ 彼らは、外に望むから、他と比べてしまうの?
マサシ うん、上の人の中だけに、神を認めるのさ。
マナミ 上から、神が宿ると見ると、どうなるのかな?
マサシ 縦に立つ、三角形の世の中を、造っていくよ。
マナミ 周りの人を、不平等に捕え、競争し合うの?
マサシ 人を敵と見て、互いに支えて、疲れ切るのさ。
マナミ 神となる民、神民って、どういうものなの?
マサシ 神民とは、我を忘れ去り、神に仕える民だよ。
マナミ 彼らは、内に臨むから、他に捕らわれないの?
マサシ うん、すべての人の中に、神を認めるのさ。
マナミ 誰にも、神が宿ると見ると、どうなるのかな?
マサシ 横に並ぶ、正円形の世の中を、作っていくよ。
マナミ 周りの人を、平等に捉えて、奉仕し合うの?
マサシ 人を神と見て、互いに仕えて、活かし切るよ。
マナミ つまり、押し退け合うより、支え合う方が、
神様から、離れるようで、近づいていくのね。
マサシ そうさ、近いどころか、神そのものになるよ。
マナミ ……………………!!
CASE 人民 の先に 神民
サトミ 人を認める、人民って、どういうものかな?
メグミ 人民とは、人の心の中に、欲を見とめる民よ。
サトミ 人の中心に、欲を認めると、どうなるのかな?
メグミ 人々を比べて、三角に拝して、序列を作るよ。
サトミ 天地が有るよう、上下が在ると、見ているの?
メグミ 善と悪が、いずれ覆ることを、認めてないよ。
サトミ だから、いつか覆っていく、恐れを抱えるの?
メグミ そうだよ、それゆえ、上を崇め下を蔑むのよ。
サトミ 神を認める、神民って、どういうものかな?
メグミ 神民とは、人の心の中に、神を見とめる民よ。
サトミ 人の衷心に、神を認めると、どうなるのかな?
メグミ 人々を較べず、円形に配して、順序を造るよ。
サトミ 季節が巡るよう、配役が廻ると、見ているの?
メグミ 善と悪が、いつか回ることを、認めているよ。
サトミ だから、いずれ回ってくる、畏れを抱えるの?
メグミ そうだよ、それゆえ、誰にも誠実に接するよ。
サトミ 人民は、不安を抱いて、互いに抑え合うけど、
神の民は、敬意を擁いて、互いに認め合うの?
メグミ うふっ、不安なのかな、どちらでも良いのよ。
サトミ ……………………!!
CASE 神の民 という 獣の民
サトシ どうして、日本が神の国か、君は知っている?
マサシ 潔い心、大和魂を持っている、そんな所かい?
サトシ まあ、それもそうだけど、特別な意味が有る。
神国ヤマトは、神民ユダヤと、関係が有るよ。
マサシ じゃあ、神の民が作った、神の国だからかい?
サトシ うん、そういうわけで、日本は特別なんだよ。
マサシ しかし、今の日本は、神の国には見えないよ。
サトシ まあ、それはそうだけど、それは仕方ないよ。
日本は、戦争に負けて、悪魔が支配している。
マサシ 真に、神の民ならば、相手が、悪魔だろうと、
抱き参らせて、神の仕組に、組み込むべきさ。
サトシ まあ、それはそうだけど、それは仕方ないよ。
もはや、政治の世界は、売国者ばかりだもん。
マサシ そういう、君自身は、何をしているんだい?
サトシ 自分は、何も出来ない、神国の証を探すだけ。
マサシ 神の国の証は、外には無くて、内に有るのさ。
つまり、神民が目覚め、神国と化すしかない。
サトシ まあ、それはそうだけど、それは出来ないよ。
マサシ う~ん、日本人なのに、ちっとも潔くないね。
サトシ ……………………
CASE 神民なき人民 と 人民なき神民
サトミ 人民と神民、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 欲を介する、人民って、どういうものかな?
メグミ 人民とは、人に欲を見て、抑え合う民なのよ。
サトミ 神に会する、神民って、どういうものかな?
メグミ 神民とは、人に神を見て、認め合う民なのよ。
サトミ 人民を望み、神民に臨まないと、どうなるの?
メグミ 神民なき人民なんて、唯の恐れに過ぎないよ。
サトミ じゃ、神を認めないと、恐怖心が勝るのかな?
メグミ そうよ、人を恐れるから、上を怖れてしまう。
サトミ 神民を望み、人民に臨まないと、どうなるの?
メグミ 人民なき神民なんて、只の畏れに過ぎないよ。
サトミ じゃ、欲を認めないと、畏怖心が優るのかな?
メグミ そうよ、神を畏れるから、罪を怖れてしまう。
サトミ 人民だけでは、負けを怖れ、他を抑えるし、
神民ばかりでは、過ちを怖れ、自ら抑えるの?
メグミ うん、人民と神民、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、人民を負って、神民を追っていくの?
メグミ うん、人民を透して、神民を徹していくのよ。
サトミ ……………………!!