第六章 第六五話 対話編
CASE 日光 の裏に 月光
マナミ 真我が光る、日光って、どういうものなの?
マサシ 日光とは、光りを放って、神が輝くことだよ。
マナミ 真なる我は、自らに依って、輝いているの?
マサシ そうだよ、神が輝くとき、我を耀かせている。
マナミ 日光を、そのまま眺めると、どうなるのかな?
マサシ 眩し過ぎ、見えない物が、見えるようになる。
マナミ 神の姿って、言わない方が、良いということ?
マサシ 心に思い、内に感じると、目が眩まないのさ。
マナミ 自我が光る、月光って、どういうものなの?
マサシ 月光とは、光りを受けて、我が耀くことだよ。
マナミ 偽なる我は、自らに拠って、耀いてないの?
マサシ そうだよ、我が耀くとき、神が輝いているよ。
マナミ 月光を、それだけ眺めると、どうなるのかな?
マサシ 暗く過ぎ、見える者まで、見えなくなるのさ。
マナミ 我が儘って、言わない方が、良いということ?
マサシ 心に秘め、器を弁えると、光が現われるのさ。
マナミ つまり、神がかりになって、我ばかりになる。
霊言とか、売り物にするのは、最悪になるの?
マサシ それで、集まって来るのは、病める闇だけさ。
マナミ ……………………!!
CASE 神懸り という 神憑り
サトミ ついに、あたしの処に、神様が来てくれた。
ようやく、あたしの言に、権威が具わったわ。
メグミ 神がかりは、霊に憑かれている、だけなのよ。
サトミ あたしの神は、他の神とは違うの、本物なの。
メグミ 我ばかりは、霊に疲かれている、だけなのよ。
サトミ もう、信じてよ、あたしの神様は、本物なの。
メグミ あなたは、神懸りじゃなくて、神憑りだよ。
サトミ 神が憑いた、神憑りって、どういうものかな?
メグミ 神憑りは、憑いたまま、神の言を騙ることよ。
サトミ 神が懸った、神懸りって、どういうものかな?
メグミ 神懸りは、覚めたまま、仏の言を語ることよ。
サトミ つまり、懸かる時と、懸らない時があるのは、
正真正銘、神懸かっているとは、言えないの?
メグミ うん、自分が責任を持って、発言する言葉が、
神の言、そのものなのが、本当の神懸りなの。
サトミ どうして、教えて貰わずに、神の言が解るの?
メグミ 憑かれずに、覚めるなら、自ずと解かるのよ。
サトミ つまり、憑かれるから、逆に解らなくなるの?
メグミ うん、権威を欲しがると、霊に疲れるだけよ。
サトミ ……………………!!
CASE 黙示録 という 創世記
サトシ 旧約の序章、創世記は、どういうものかな?
マサシ 創世記は、神に背く者が、幻想に逃げる章さ。
サトシ 新約の終章、黙示録は、どういうものかな?
マサシ 黙示録は、神に従う者に、真実を告げる章さ。
サトシ つまり、聖書って、人類を覚醒させる書なの?
マサシ いや、結論だけ告げても、目は覚めないよ。
サトシ う~ん、未来だけ預けても、夢は醒めないの?
マサシ 確定しない、実感なきものを、授けたって、
人々が、勝手に解釈して、遊んでしまうだけ。
サトシ じゃ、真実を告げても、幻想に逃げてしまう。
黙示録という、創世記に過ぎない、ってこと?
マサシ 神の言は、自ら進んで、修めるべきであり、
理屈を捏ね、徒に弄んで、歪めるべきでない。
サトシ つまり、預言を解釈すると、我の意志により、
どんどん、神の意思から、掛け離れていくの?
マサシ そうさ、霊言の解釈なんて、する必要ないよ。
サトシ でも、ああじゃないか、こうじゃないかって、
みんなで、話し合うのは、なかなか楽しいよ。
マサシ ほら、黙示録という創世記、繰り返すだけさ。
サトシ ……………………
CASE 月光なき日光 と 日光なき月光
サトミ 日光と月光、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 真我の啓示、日光って、どういうものかな?
メグミ 日光とは、真我が輝いて、遍く照らすことよ。
サトミ 自我の顕示、月光って、どういうものかな?
メグミ 月光とは、自我が耀いて、夜を照らすことよ。
サトミ 日光を望み、月光に臨まないと、どうなるの?
メグミ 月光なき日光なんて、神がかりに過ぎないよ。
サトミ じゃ、日が輝くときは、月も耀いているの?
メグミ そうよ、それを忘れたら、病ばかりになるの。
サトミ 月光を望み、日光に臨まないと、どうなるの?
メグミ 日光なき月光なんて、我ばかりに過ぎないよ。
サトミ じゃ、月が耀くときは、日が輝いているの?
メグミ そうよ、それを忘れたら、闇ばかりになるの。
サトミ 日光だけは、眩し過ぎ、無い物が見えるし、
月光ばかりは、暗く過ぎ、有る者が見えない?
メグミ うん、日光と月光、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、月光を介して、日光を解していくの?
メグミ うん、月光を究めて、日光を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!
CASE 神示 の裏に 真理
マナミ 霊が伝える、神示って、どういうものなの?
マサシ 神示とは、霊言を介して、神理を示すことさ。
マナミ 霊の言から、神が説かれる、ということなの?
マサシ 超常を伴って、原因と結果が、明らかになる。
マナミ 自ら解さず、霊が言うから、認めてしまうの?
マサシ それゆえ、究極の原因が、霊に置かれるのさ。
マナミ つまり、外に表われる、霊に依ってしまうの?
マサシ そうだよ、内に現われる、神に拠れなくなる。
マナミ 真を伝える、真理って、どういうものなの?
マサシ 真理とは、霊言を介さず、神理を示すことさ。
マナミ 心の底から、神が解かれる、ということなの?
マサシ 飛躍を伴わず、原因と結果が、明らかになる。
マナミ 神を介さず、自ら辿るから、認めていけるの?
マサシ それゆえ、究極の原因が、我に置かれるのさ。
マナミ つまり、外に表われる、霊に酔っていないの?
マサシ そうだよ、内に現われる、神に覚めていくよ。
マナミ いつまでも、外を信じると、神に還れないの?
こんな話、他の者からは、聞いた事ないけど。
マサシ ほらね、この罠を解くため、真理を説くのさ。
マナミ ……………………
CASE 神示 の先に 真理
サトミ 奇跡を示す、神示って、どういうものかな?
メグミ 神示とは、最初の段階に、説かれる教えだよ。
サトミ 奇跡を示し、神を説くのは、どうしてなの?
メグミ 権威に酔って、神を望む人が、増えるからよ。
サトミ 軌跡を示し、神を解かないのは、どうして?
メグミ 経験が乏しく、神を解す人が、少ないからよ。
サトミ 軌跡を示す、真理って、どういうものかな?
メグミ 真理とは、最終の段階に、解かれる教えだよ。
サトミ 軌跡を示し、神を解くのは、どうしてなの?
メグミ 経験が満ちて、神を介す人が、殖えるからよ。
サトミ 奇跡を示し、神を説かないのは、どうして?
メグミ 権威に頼って、神に臨む人が、減るからだよ。
サトミ 神示の段は、権威を示して、外に依らせて、
真理の階では、権威を越えて、内に拠らせる?
メグミ 神示の段は、経験が乏しく、外に酔わせて、
真理の階では、経験が満ちて、内に覚めるの。
サトミ 最終的には、外に頼らずに、内に拠っていく。
自ら経験した、内なる霊こそ、神様ってこと?
メグミ そうだけど、それを、わたしに、聞いちゃう?
サトミ ……………………!!
CASE 神示 という 真理
サトシ 神威に依る、神示って、どういうものかな?
アツシ 神示とは、霊媒を介して、神言を説くことだ。
サトシ 神意に拠る、真理って、どういうものかな?
アツシ 真理とは、霊媒を介さず、神言を解くことだ。
サトシ いつまでも、神威に頼ると、どうなるのかな?
アツシ 外に頼るから、内に宿る神を、認められない。
サトシ それならさ、導師にしても、指導霊にしても、
最終的に、我々を頼るなって、説く筈だよね。
アツシ 本物ならば、内なる神に臨めと、解くだろう。
サトシ ここでないと、救われないと、説くんだけど。
アツシ それこそ、神から遠ざける、偽物の証拠だな。
サトシ 確かに、君が言うことは、理に適っているよ。
でもなあ、誰もそんなこと、言ってないよね。
アツシ ほらな、言われた傍から、外に依っている。
最終的に、理で解さないと、意味が無いんだ。
サトシ う~ん、そんな重要なら、君からじゃなくて、
霊言を通して、はっきりと、言って欲しいよ。
アツシ 外を信じるなと、外を信じて、君は従うのか?
おっと、これ以上、言わないが、自分で解け。
サトシ ……………………
CASE 真理なき神示 と 神示なき真理
サトミ 神示と真理、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 権威を介す、神示って、どういうものかな?
メグミ 神示とは、奇跡に依って、神理を説くことよ。
サトミ 経験で解す、真理って、どういうものかな?
メグミ 真理とは、軌跡に拠って、神理を解くことよ。
サトミ 神示を望み、真理に臨まないと、どうなるの?
メグミ 真理なき神示なんて、唯の超然に過ぎないよ。
サトミ じゃ、奇跡に寄るけど、軌跡を辿らないの?
メグミ そうよ、酔わす道なんて、誰も覚めないのよ。
サトミ 真理を望み、神示に臨まないと、どうなるの?
メグミ 神示なき真理なんて、只の自然に過ぎないよ。
サトミ じゃ、軌跡を辿るけど、奇跡を魅せないの?
メグミ そうよ、覚める道なんて、誰も集らないのよ。
サトミ 神示だけでは、霊に頼って、神に還らないし、
真理ばかりでは、神が深くて、人が集らない。
メグミ うん、神示と真理、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、神示を介して、真理を解していくの?
メグミ うん、神示を究めて、真理を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!