物語編
第一章 第二二話 物語編
第一章 主観 と 客観
第二二話 片方を観ない と 両方を認める
『陽が生まれるとき、必ず、陰が埋まれている。
世界は相対であり、相対でないものは、絶対ない。
強いて言うなら、これこそ、唯一無二の絶対である。』
『相対が生まれると、裏に、絶対が埋れている。
これは絶対であり、そうでないものは、絶対ない。
これで決定かと思えば、裏に、相対が生まれている。』
『絶対が生まれると、裏に、相対が埋れている。
世界は相対であり、相対でないものは、絶対ない。
強いて言うなら、これこそ、唯一無二の絶対である。』
『これでは、切りがない、終らないではないか。
一切は相対である、という、唯一の絶対性がある。
ここで止めない限り、永遠に、足元を掬われ続ける。』
『神が絶対であると、訴え続ける狂信者にせよ、
全て相対であると、穿ち続ける詭弁論者にしても、
片方しか見ないから、客観的に見れなくなっている。』
『片方を観るのでなく、両方から認めるべきだ。
表と裏、両方を見るとき、主観は客観に昇華する。
敵を見ず、味方だけ見れば、見方が偏るのも当然だ。』
まあ、これも主観だがなと、彼は、にやりと笑った。