clear
clear
物語編

第一章 第二五話 対話編

CASE 無限 の裏に 有限

 

マナミ 限界が無い、無限って、どういうものなの?
マサシ 無限とは、二元に分ける、切り方のことだよ。
マナミ 限界が有る、有限って、どういうものなの?
マサシ 有限とは、一元に合せる、合せ方のことだよ。
マナミ う~ん、良く解らない、どういうことなの?
マサシ じゃ、林檎を切るときに、幾つ分け方がある?
マナミ それは、分けようとすれば、無限にあるの。
マサシ 次に、林檎を戻すときに、幾つ合せ方がある?
マナミ それは、合せようとしても、有限しかないの。
マサシ 即ち、二元に開いていて、一元に閉じている。
マナミ 二元に、開かれているって、どういうこと?
マサシ 二元には、無限の意味がある、ということさ。
マナミ 一元に、閉されているって、どういうこと?
マサシ 一元には、有限の意識がある、ということさ。
マナミ つまり、有限の意識が、無限の意味を感じる。
    意識って、有限であって、無限じゃないのね。
マサシ 意識は、深い処で繋がって、そもそも一つさ。
マナミ 意識って、有限どころか、ひとつしかないの?
マサシ 無限に、意味が付いていて、認め難いけどね。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 無限 の先に 有限

 

サトミ ねぇ、実在無限って、どういう無限なのかな?
メグミ 無限が、実在している、そう考える立場だよ。
サトミ じゃ、可能無限って、どういう無限なのかな?
メグミ 無限は、実在してない、そう考える立場だよ。
サトミ 実際の所、無限なものって、実在しているの?
メグミ もし、無限が実在すると、考えてしまうと、
    途端に、無限が有限になり、閉じてしまうよ。
サトミ 無限って、名前を付けて、取り扱った瞬間に、
    その無限は、無限という有限、になるのかな?
メグミ そうなの、無限を足したり、引いたりすれば、
    その無限は、有限として、取り扱われている。
サトミ それなら、本来の無限って、どういうもの?
メグミ ずっと、有限を重ねるという、可能性なのよ。
サトミ じゃ、無限は過程だから、記号に出来ない?
メグミ そうよ、無限を仮定したら、有限に過ぎない。
サトミ じゃ、無限なんてものは、実在しないのね。
    じゃあ、無限の実在は、仮定しちゃダメだね。
メグミ うふ、実在しなくたって、仮定して良いのよ。
    意味が、無限にあることが、可能なんだから。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 無限 という 有限

 

サトシ 面白いこと、気づいたよ、目的地に着く迄に、
    自然数を、数え終っちゃう、思考実験なんだ。
アツシ 本当か、本当なら凄いな、どんな実験なんだ?
サトシ 目的地の、半分に着いたら、「1」と言って、
    残りの、半分に着いたら、「2」と言うんだ。
アツシ なるほど、無限が実在する、そう考える訳か。
    そんなこと、現実の世界には、在り得ないが。
サトシ これはね、思考実験だから、別に構わないよ。
アツシ なんだ、仮想世界だから、真偽は問わないか。
サトシ それより、興味深いことが、最後の数は何か。
    その数って、偶数なのか、奇数なのか迷うよ。
アツシ 困ったな、勝手に妄想して、勝手に迷走する。
    そうやって、仮定の上に、虚構を重ねるなよ。
サトシ 実在する、無限なんて、考えるなってこと?
アツシ いいや、何だろうと、良く考えたら良いが、
    そうして、誤まったら、直ぐ改めたら良いぞ。
サトシ つまり、誤まることなら、無限に出来るけど、
    逆に、改めることなら、有限で出来るのかな?
アツシ そうだ、ここで改めたら、無限に嵌まらない。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 有限なき無限 と 無限なき有限

 

サトミ 無限と有限、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ どこまでも、無限って、どういうものかな?
メグミ 無限とは、限界を越える、過程のことなのよ。
サトミ ここまでの、有限って、どういうものかな?
メグミ 有限とは、限界を決める、仮定のことなのよ。
サトミ 無限を望み、有限に臨まないと、どうなるの?
メグミ 有限なき無限なんて、無限を認めないだけよ。
サトミ じゃ、有限が無いなら、無限も無いのかな?
メグミ そうよ、仮定が無ければ、過程も無いからね。
サトミ 有限を望み、無限に臨まないと、どうなるの?
メグミ 無限なき有限なんて、有限を認めないだけよ。
サトミ じゃ、無限が無いなら、有限も無いのかな?
メグミ そうよ、過程が無ければ、仮定も無いからね。
サトミ 無限だけは、限界を越える、有限が在るし、
    有限ばかりは、限界を重ねる、無限が有るの?
メグミ うん、無限と有限、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、無限を究める、有限を極めているの?
メグミ うん、無限を収める、有限を納めているのよ。
サトミ ……………………!!

コメントを残す

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。