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物語編

第一章 第二七話 対話編

CASE 無知 の裏に 愛知

 

マナミ 知ってない、無知って、どういうものなの?
マサシ 無知とは、思いのままに、結果を知ることさ。
マナミ 知っている、愛知って、どういうものなの?
マサシ 愛知とは、在りのままに、結果を知ることさ。
マナミ 無知にせよ、愛知にしても、知ることなの?
マサシ 無知は、Aを知っても、非Aを知らないこと。
    愛知とは、Aを知ったら、非Aも知ることさ。
マナミ 逆の結果を、認めないとき、どうなるのかな?
マサシ 少しずつ、知識が偏って、空間が狭くなるよ。
マナミ 逆の結果を、見とめるとき、どうなるのかな?
マサシ 少しずつ、知識を均して、空間が広くなるよ。
マナミ という事は、知っていれば、良い訳じゃなく、
    あらゆる事を、知ろうとする、必要があるの?
マサシ そうさ、徒に愛しても、知を愛すどころか、
    逆に、知を愛すだけ、知を憎むこともあるよ。
マナミ これは、すごいことを、知っちゃった気分。
    これだけ、知っていれば、もう充分なくらい。
マサシ 知ってない、無知の自覚が、出来ていない。
    好き勝手、知っていれば、良い訳じゃないよ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 無知 の先に 愛知

 

サトミ 知を損ねる、無知って、どういうものかな?
メグミ 無知とは、好きな結果を、認めることなのよ。
サトミ 知を求める、愛知って、どういうものかな?
メグミ 愛知とは、嫌いな結果を、認めることなのよ。
サトミ 好む結果を、認めていると、どうなるのかな?
メグミ 嫌いな結果を、認めないから、無知になるよ。
サトミ 親しい情報だけ、知っていたら、いけないの?
メグミ 疎い情報まで、知ろうとしないと、偏るのよ。
サトミ 認識が狭くなり、実感が偏ると、どうなるの?
メグミ 原因に臨まず、結果を望んで、不偏を損うよ。
サトミ じゃ、自ら明るくなり、周りは暗くなるの?
メグミ そうよ、明るさに隠れる、暗さを見とめない。
サトミ 闇に潜む、因を認めないと、どうなるのかな?
メグミ 確かに、因を訪わないと、世界は保たれる。
    でも、その因を問われると、世界は崩れるよ。
サトミ そっか、結果に被われて、自明を守っても、
    結局、その結果が覆えって、自明が壊される。
メグミ 一見ね、このように、壊れた様に見えるけど、
    より、不偏的な世界が、生まれて来るからね。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 無知 という 愛知

 

サトミ 知らないよりも、知っている方が、良いのよ。
マナミ ううん、偏って知るより、知らない方が良い。
サトミ 嘘よ、知らない癖に、適当なこと言わないで!
マナミ 知れば、知るほど、無知になってしまうから。
サトミ 知るほど、知らなくなるって、どういうこと?
マナミ いつも、知りたいことしか、知らなければ、
    逆に、知りたくなければ、知ろうとしないの。
サトミ つまり、好む結果しか、見とめていないと、
    逆に、嫌う結果まで、見とめようとしないの?
マナミ そうよ、自らの結果でしか、判断しないから、
    他の果を、受け容れることが、出来ないのよ。
サトミ 充ちているか、否かでしか、判断しないから、
    満ちない結果は、いつまでも、認められない?
マナミ そうね、知識とは、空間を広げる認識だから、
    拡げるか、広げないかで、判断するしかない。
サトミ ふ~ん、そんな話は、初めて聞いたんだけど。
マナミ じゃ、充ちるなら知る、満ちないと知らない。
    あなた、いつに為ったら、この話を認めるの?
サトミ みんなが、見とめ始めたら、認めてあげるわ。
マナミ ……………………

 


 

CASE 知り易くなる と 知り難くなる

 

アツシ 知り易くなると、裏で、知り難くなっている。
サトシ う~ん、どういうことかな、良く解らないよ。
アツシ それなら、重要なことを、俺は知っているが、
    それを、君は知りたいかな、勧めはしないが。
サトシ どうかな、僕は知りたいから、早く教えてよ。
アツシ もし、これを聞くと、君が苦しむことになる。
    自分が、好きなものの、嫌な面を知らされる。
サトシ すなわち、その話は、重要だけど、悪い話?
アツシ そうさ、だから、知らない方が、君のためだ。
サトシ うん、それならね、聴くのは、止めておくよ。
アツシ まさに、知り易くなると、知り難くなるんだ。
サトシ なるほど、嫌いなことって、知り難くなるね。
アツシ そうだ、知らずに済んで、本当に良かったな。
サトシ でも、それって、本当に聴かなくて、良い話?
アツシ 俺しか知らないから、二度と知らないで済む。
サトシ じゃあ、この機会を逃がすと、もう聴けない?
アツシ ああ、そうなるな、決して、知ることはない。
サトシ それなら、思い切って、聴いて置こうかな。
アツシ まさに、知り難くなると、知り易くなるんだ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 愛知なき無知 と 無知なき愛知

 

サトミ 無知と愛知、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 空間が偏る、無知って、どういうものかな?
メグミ 無知とは、好きな結果を、望んでいることよ。
サトミ 空間が直る、愛知って、どういうものかな?
メグミ 愛知とは、嫌いな結果に、臨んでいくことよ。
サトミ 無知を望み、愛知に臨まないと、どうなるの?
メグミ 愛知なき無知なんて、唯の半知に過ぎないよ。
サトミ じゃ、空間が偏るだけ、空間が直らないの?
メグミ そうよ、一向に直さずに、知識を研けないよ。
サトミ 愛知を望み、無知に臨まないと、どうなるの?
メグミ 無知なき愛知なんて、只の無知に過ぎないよ。
サトミ じゃ、空間が直るだけ、空間が偏らないの?
メグミ そうよ、以降は直せずに、知識を磨けないよ。
サトミ 無知だけは、好きだけ、知ろうとするけど、
    愛知ばかりは、そもそも、知ろうとしないの?
メグミ うん、無知と愛知、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、無知を負って、愛知を追っていくの?
メグミ うん、無知を究めて、愛知を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!

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