物語編
第一章 第二七話 問答編
マサシ 無知(ムチ)とは、どういうものですか?
アキラ 無知は、思いのまま、知ることである。
事象Aを、思いのまま、知ろうとすると、
事象非Aを、思いのまま、知ろうとしない。
あらゆる、結果を認めない、世界は狭くなる。
マサシ 愛知(アイチ)は、どういうものですか?
アキラ 愛知は、在りのまま、知ることである。
事象Aを、在りのまま、知ろうとすると、
事象非Aも、在りのまま、知ろうとできる。
あらゆる、結果を見とめて、世界は広くなる。
タバタ ソクラテスの、「無知の知」の意味は、
「知らないことを、知っていること」と、
一般的には考えられている、と思いますが、
それ以上の、意味がある、ということですか?
マコト 「無知の知」や、「知は力なり」など、
「知」に関する格言は、多くありますが、
「知」を「知っている」だけと捉えるのは、
今の時代には、少し足りないと考えています。
「知」を「知る」と「解る」と「悟る」
即ち、「見とめて、分けて、囚われない」
これら、三つの段階に分けて考えることで、
これまでの格言を、捉え直そうとしています。