第一章 第三二話 問答編
マサシ 直感(チョッカン)は、どういうものですか?
アキラ 直感とは、因縁を感じる、性質であり、
同次元から、条件を認める、悟性である。
意識と意味が、因縁を介して、近くになり、
直観が埋まれて行くと、直感が生まれて来る。
マサシ 直観(チョッカン)は、どういうものですか?
アキラ 直観とは、因縁を観じる、性質であり、
別次元から、条件を認める、悟性である。
意識と意味が、因縁を解して、遠くになり、
直感が埋まれて行くと、直観が生まれて来る。
メグミ 感情(カンジョウ)は、どういうものですか?
マコト 感情とは、「心=自我」を条件として、
「事実」の如く、因果を「感」じること。
自我を条件にすると、感情が絶対的になり、
他我まで条件にすると、感情が相対的になる。
メグミ 感情の相対化とは、具体的に何ですか?
マコト 例えば、相手に勝利した喜びの感情は、
勝利した自分に限ると、湧き上がります。
敗北した相手を考えると、静まり返ります。
主観視すると酔って、客観視すると覚めます。
例えば、受験に失敗した嘆きの感情は、
失敗した現在に限ると、湧き上がります。
成功した未来を考えると、静まり返ります。
絶対化すると酔って、相対化すると覚めます。
メグミ 感情に溺れるのは、どうしてですか?
マコト そもそも、前提となる条件が変われば、
因果の感じ方も、変って来るものですが、
自我という条件に、無意識に捕らわれると、
湧き上ってくる、感情に溺れやすくなります。
メグミ 過去に経験がない、初めてしたことでも、
実感が、湧き上がるのは、どうしてですか?
マコト たとえ、初めて行ったことであっても、
似ている経験を、相応の条件に据えたり、
似ていない経験を、比較の条件に置いたり、
因果に実感を決める、条件に設定しています。