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物語編

第一章 第三七話 物語編

第一章    正常   と   異常
第三七話 重くなる実感 と 軽くなる実感

 

幻想にせよ、真実にせよ、現実に他ならない。
幻想は、破れ易い現実であり、縋るには頼り無く、
真実とは、壊れ難い現実であり、拠るなら実り多い。

 

誰もが、自らの現実のみ、真実と捉えたがる。
我が現実を、正常と見て、他の現実を異常と見る。
それこそ、異常と何故、気づかぬ、それが、無智だ。

 

自らに現れることは、他にも表れるのであり、
周りに表れているものは、自らに現れるのである。
即ち、自我という特異点が、人の覚醒を妨げている。

 

今から表れるものは、後にも現れるのであり、
前から現れているものは、今から表れるのである。
即ち、現在という収束点が、人を覚醒に導いている。

 

人々は、無智に覆われ、見ない物が多過ぎる。
常を認めないから、正常と異常が、生まれてくる。
今、この瞬間に、全てが在ることを、忘れてしまう。

 

人々は、奇跡が起きたなどと、言ってのける。
それは、無智に覆われて、軌跡を知らないからだ。
一度でも、起きてしまえば、奇跡は軌跡に他ならぬ。

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