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物語編

第一章 第三九話 物語編

第一章    論証   と   実証
第三九話 意味に訴える と 意識に訴える

 

今、ここに来た、君は、何回目の君か、解かるか。

 

冗談なのか、本気なのか、寧ろ、何と言ったか、
解らないまま、呆気に取られ、視線を泳がせると、
老師も同様、私の背後を見つめ、中空に話し掛けた。

 

残り少ない時の中、真理の要諦を伝えるため、
この度、君らのために、二つの声を同時に用いる。
一つは表層に届くが、もう一つは深層に響くだろう。

 

一つ目とは、若い男性、健全な肉体を纏った、
私の眼前にいる、君に届く、今に伝わる声である。
君から伝わり、二千年掛けて、人類の型を描き出す。

 

二つ目とは、老若男女、様々な幽体を纏った、
君の背後にいる、霊に届く、後に伝わる声である。
今から直に、二千年後に届き、多くの心に伝わろう。

 

前者は、人類の歴史として、現世に表われて、
後者は、預言の成就として、後世に現れるだろう。
君を介して、とある預言を適えるため、話している。

 

今に生きる君も、運命の出番を迎えているが、
君の後ろの霊の者も、命運の分岐を向かえている。
どちらも救い導くため、どちらにも語り掛けている。

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