第一章　　　　　産婆法
第四十回　助産　の裏に　出産

助産は、論証による、外からの証明のこと
出産とは、実証による、内からの証明のこと
助産は、外から育まれる、他からの証明であり
出産とは、内から産まれる、自からの証明である

自我は、無矛盾により、内界を固めるもの
論証を内からすると、我が世界に閉じ篭もり
論証を外からするとき、我が限界が浮き上がる
無矛盾な我を超えるには、他の論理を認めていく

自我は、不完全により、外界に怯えるもの
実証を外からすると、我が世界に逃げ込んで
実証を内からするとき、我が限界を乗り越える
不完全な我を越えるには、自ら現実を認めていく

産婆法は、論理の助産という、実感の出産
助産が究められると、出産に極められること
出産のない助産は、自我に籠もる、難産であり
助産のない出産では、実感が流れる、流産である