ＣＡＳＥ　助産　の裏に　出産

マナミ　ソクラテスは、問答を通し、真理に導いたの？
マサシ　うん、正しく導くために、問答を使ったのさ。
マナミ　じゃあ、産婆法と呼ぶのは、どうしてなの？
マサシ　うん、外側からの助産と、内側からの出産で、
　　　　実感を生み出す点が、御産と似ているからさ。
マナミ　他が助ける、助産って、どういうものなの？
マサシ　助産とは、協力ができる、論証のことなのさ。
マナミ　論理は、共有ができるから、協力ができるの？
マサシ　そうだよ、他人が誘うことが、出来るんだよ。
マナミ　自ら努める、出産って、どういうものなの？
マサシ　出産とは、協力できない、実証のことなのさ。
マナミ　実感は、共有できないから、協力できないの？
マサシ　そうだよ、他人が導くことが、出来ないのさ。
マナミ　たとえ、ソクラテスでも、最後まで導けない？
マサシ　うん、最終的な実感は、自分で得るしかない。
マナミ　う～ん、ソクラテスなら、出来る気がするの。
マサシ　いや、誰が導こうとも、原理的に不可能だよ。
マナミ　う～ん、そう言われても、出来る気がするの。
マサシ　ほら、ここまでは誘えても、ここからは無理。
マナミ　……………………

ＣＡＳＥ　助産　の先に　出産

メグミ　どうして、産婆法と呼ばれるか、解かるかな？
サトミ　うん、実感を産むのが、御産と似ているから。
メグミ　論証は、外から取り上げる、助産に譬えて、
　　　　実証では、内から湧き上がる、出産に喩える。
サトミ　論理の証明を、外から行うのは、どうして？
メグミ　内から固めても、閉じ篭もる、だけだからよ。
サトミ　いくら、論理が正しくても、外を認めないの？
メグミ　そうだよ、幻想を肯うために、論理は使える。
サトミ　事実の証明を、内から行うのは、どうして？
メグミ　外から押しても、圧し返えす、だけだからよ。
サトミ　いくら、事実を示されても、心から認めない？
メグミ　そうだよ、真実を否むために、実感は遣える。
サトミ　う～ん、あなたが言ったことを、まとめると、
　　　　最終的に、実感するか否かは、自分次第だね。
メグミ　そうよ、矛盾の無い論理は、辿れもするし、
　　　　逆に、辿らない口実にも、使えてしまうのよ。
サトミ　う～ん、あなたが言ったことを、まとめると、
　　　　最終的に、見とめるか否かは、自分次第だね。
メグミ　うふっ、閉じていることを、巧妙に認めない。
サトミ　……………………

ＣＡＳＥ　助産　という　出産

サトシ　実感を育む、助産って、どういうものかな？
マサシ　助産とは、意味を解して、実感を育むことさ。
サトシ　適確に、実感を育てるには、どうするのかな？
マサシ　論証して、因果を辿れば、実感が高まるのさ。
サトシ　実感を産む、出産って、どういうものかな？
マサシ　出産とは、意識を介して、実感を産むことさ。
サトシ　適切に、実感を産むために、どうするのかな？
マサシ　実証して、条件に遡れば、実感が生じるのさ。
サトシ　論証に依り、意味を辿って、実感を育んで、
　　　　実証に拠って、意識に訴えて、実感を産むの？
マサシ　うん、論証を通して、論点を明らかにして、
　　　　続いて、実証を透して、証拠を明らかにする。
サトシ　論証して、論点が明かになると、どうなるの？
マサシ　意を介して、低次と高次とが、一致するのさ。
サトシ　ということは、低次である、言っていること、
　　　　高次である、遣っていること、両者が揃うの？
マサシ　そうさ、言っていることを、遣っているのさ。
サトシ　いやいや、そんな奇妙なこと、起る訳ないよ。
マサシ　でもね、すでに準備は整い、君の実感待ちさ。
サトシ　……………………

ＣＡＳＥ　出産なき助産　と　助産なき出産

サトミ　助産と出産、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　他が助ける、助産って、どういうものかな？
メグミ　助産とは、因果を論証し、実感を育むことよ。
サトミ　自ら努める、出産って、どういうものかな？
メグミ　出産とは、条件を実証し、実感を産むことよ。
サトミ　助産を望み、出産に臨まないと、どうなるの？
メグミ　出産なき助産なんて、唯の難産に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、他に育まれても、産もうとしないの？
メグミ　そうよ、構い過ぎるから、倦んでしまうのよ。
サトミ　出産を望み、助産に臨まないと、どうなるの？
メグミ　助産なき出産なんて、只の流産に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、自ら産もうとも、育まれていないの？
メグミ　そうよ、焦り過ぎるから、流れてしまうのよ。
サトミ　助産だけは、努めないから、実感が湧かず、
　　　　出産ばかりは、助けないから、実感が流れる。
メグミ　うん、助産と出産、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、助産を透して、出産を徹していくの？
メグミ　うん、助産を究めて、出産を極めていくのよ。
サトミ　……………………！！