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物語編

第一章 第四六話 対話編

CASE 時代 の裏に 次代

 

マナミ 今に表れる、時代って、どういうものなの?
マサシ 時代とは、現在に臨んだ、現実のことなのさ。
マナミ 次に現れる、次代って、どういうものなの?
マサシ 次代とは、未来に望んだ、現実のことなのさ。
マナミ どうしたら、時代が変わり、次代が訪れるの?
マサシ 時代には、楽しい面も、苦しい面もあるのさ。
    それを、先に楽に味わい、後から苦を味わう。
マナミ 黎明期に、楽しい面に、臨んでいるときは?
マサシ 今の時代が、ずっと続く様に、望んでいるよ。
マナミ 終末期に、苦しい面に、臨んでいるときは?
マサシ 次の時代が、すぐに来る様に、望んでいるよ。
マナミ じゃ、望んでいるから、臨んでいるのであり、
    反対に、望んでないなら、臨んではいないの?
マサシ うん、条件が変わり、楽が苦に換ったけど、
    実際は、望んだものに、臨んでいるだけだよ。
マナミ じゃ、苦の原因って、時機がずれただけなの?
マサシ そうさ、時機がずれた、それも望んだからさ。
マナミ わざわざ、苦しくなる様に、望んでいるの?
マサシ 実はね、何も苦しくないのが、最も苦しいよ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 時代 の先に 次代

 

サトミ 表に現れる、時代って、どういうものかな?
メグミ 時代とは、現在に味わう、表の時のことなの。
サトミ 裏に隠れる、次代って、どういうものかな?
メグミ 次代とは、未来に味わう、裏の時のことなの。
サトミ う~ん、良く解らない、どういうことなの?
メグミ じゃ、帝国主義が栄えた、時代を知ってるね?
サトミ 人々が、支配が大事だって、考えた時代だよ。
メグミ それなら、その良い点は、どういう所かな?
サトミ 他国を、支配できたら、利が得られる点かな。
メグミ それなら、その悪い点は、どういう処かな?
サトミ 自国を、支配されたら、利が奪われる点かな。
メグミ 即ち、これらを味わうと、次の時代に進むの。
サトミ う~ん、片方だけでは、次代に進めないわけ?
    実際、交代しないで、帝国主義は終ったよね。
メグミ 宗主国と従属国、立場が、入れ替わらないと、
    本当の意味で、帝国主義は、終わらないのよ。
サトミ それなら、終ったように、見えているけど、
    形を変えて、帝国主義って、続いているわけ?
メグミ そうだよ、そう見た方が、次に進めると思う。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 時代 という 次代

 

アツシ いかなる時代にも、始まりと終わりがある。
    良い面を望んで始り、悪い面に臨んで終わる。
サトシ つまり、どの時代にも、光と闇があるのかな?
アツシ ああ、是と非を味わうと、次の時代に進める。
サトシ う~ん、良く解からないな、どういうこと?
アツシ なら、資本主義が栄えた、時代を知ってるな?
サトシ 人々が、資本が大事だって、考えた時代だよ。
アツシ それなら、その良い点は、どんな所だろうか?
サトシ 資本を、持っていれば、何でも出来る点かな。
アツシ それなら、その悪い点は、どんな処だろうか?
サトシ 資本を、持ってないと、何も出来ない点かな。
アツシ 即ち、これらを味わうと、次の時代に進む。
サトシ じゃあ、立場が変わったり、盛衰を辿ったり、
    どちらも、経験しないと、次代に進めないの?
アツシ そうだ、中途半端だと、同じ事を繰り返すぞ。
サトシ でも、良い所だけ味わい、逃げ切れないの?
アツシ 無理だ、悪い処まで味わい、飽きないと戻る。
サトシ そうかな、本当かな、う~ん、そう思えない。
アツシ ほらな、そうして、飽きるまで、繰り返すぞ。
サトシ ……………………

 


 

CASE 次代なき時代 と 時代なき次代

 

サトミ 時代と次代、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 表に現れる、時代って、どういうものかな?
メグミ 時代とは、楽を望むから、苦に臨むことだよ。
サトミ 裏に隠れる、次代って、どういうものかな?
メグミ 次代とは、苦に臨むから、楽を望むことだよ。
サトミ 時代を望み、次代に臨まないと、どうなるの?
メグミ 次代なき時代なんて、唯の自大に過ぎないよ。
サトミ じゃ、裏の苦に臨まず、今の楽を望むのかな?
メグミ そうよ、今の楽に塗れて、苦に気づかないよ。
サトミ 次代を望み、時代に臨まないと、どうなるの?
メグミ 時代なき次代なんて、只の事大に過ぎないよ。
サトミ じゃ、今の苦に臨まず、他の楽を望むのかな?
メグミ そうよ、自ら苦を越えて、楽を築かないのよ。
サトミ 時代だけでは、楽を信じて、苦を認めない。
    次代ばかりでは、楽に逃げて、苦を認めない。
メグミ うん、時代と次代、その両方が、必要なのよ。
サトミ そっか、時代を負って、次代を追うわけね。
メグミ うん、時代に臨んで、次代を望んでいくのよ。
サトミ ……………………!!

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