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物語編

第一章 第四七話 物語編

第一章    先代   と   後代
第四七話 先に生まれる と 後に産まれる

 

神が創りし、この世界を、好き嫌いを言わず、
在りのまま、味わうが良いと、何度も申した筈だ。
ところが、汝らは改心せず、この世界を裁き続けた。

 

それ故、神は、人間の世界を、創造したのだ。
天国と地獄、その間に存する、人界は特殊であり、
悟りに適した、宇宙の型として、人類は創造された。

 

陰と陽を、象徴するよう、左右を対称にした。
善と悪の、無常を悟れるよう、寿命を短かくした。
多様な種が、集まれるよう、宇宙全体の縮図とした。

 

天人界では、同じ波長の者しか、集まれない。
それ故に生き易くなるが、それ故に悟り難くなる。
汝らは、生命の実を預るが、知恵の実は与かれない。

 

人間界では、異なる波長の者が、集ってくる。
それ故に悟り易くなるが、それ故に生き難くなる。
君らは、知恵の実を与るが、生命の実は預かれない。

 

老師は、跪いている、私の耳元で優しく囁いた。
君らが考えているより、君らは特別な存在なのだ。
君に限らず、君らは、多くの存在に見守られている。

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