物語編
第一章 第四七話 概念編
第一章 流転性
第四七回 先代 の裏に 後代
先代は、先に生まれて来る、時の代のこと
後代とは、後に産まれて来る、世の代のこと
先代は、初めは苦労するが、後から安楽になる
後代では、初めは安楽であり、後から苦労をする
先に苦労を味わうと、後から安楽を味わう
勤勉に努めるから、安楽の有り難さが分かり
たとえ、安楽になろうと、何ら変ることがない
次代には、苦労させまいと、安楽を与えてしまう
先に安楽を味わうと、後から苦労を味わう
怠惰に溺れるから、安楽の在り難さが解らず
たとえ、安楽であろうと、長く続くことがない
次代には、安楽などないと、苦労を掛けてしまう
先代が生まれるとき、後代が埋まれている
後代のない先代もなく、先代なき後代もない
有り難みが分かると、その時代は長続きするが
在り難みが解らないと、その世代は永続きしない