物語編
第一章 第四八話 物語編
第一章 繁栄 と 衰退
第四八話 利が表われる と 害が現われる
〔神は、人類を守護せよと、汝ら天使に命じた。
ところが、何も知らぬ人類を、自らの下に捕えて、
世の型から、学ぶどころか、汝らが色に染め変えた。〕
〔汝らは、人が祈れば、人の欲を適えてやって、
その対価を求めた、人は喜んだが、神は悲しんだ。
人界を天界に変えて、善と捕えるか、傲慢なる者よ。〕
〔汝らは、人を囲って、場違いな知識を与えて、
超常の力を授けた、人は悦んだが、神は哀しんだ。
知恵を知識で与えて、善と捉えるか、無智なる者よ。〕
〔或る天は、或る人々に、その天の善を説くが、
別の天は、別の人々に、その天の善を説いたため、
終には、埋まれていた地獄が、地上に生まれて来た。〕
〔天人が、少し口を出せば、直ぐ信仰が生まれ、
奇跡を見せ、少し肩を貸せば、直ぐ戦争が起きた。
愛する地上は、天が諦めた、地獄そのものとなった。〕
〔天国と地獄、両者を救うため、雛型を創った。
その切り札たる、人間界が、地獄の様相を呈した。
神は激怒し、その憤激は、三千世界の隅々に響いた。〕