ＣＡＳＥ　繁栄　の裏に　衰退

マナミ　豊かな時代、繁栄って、どういうものなの？
マサシ　繁栄とは、利が現われる、条件が緩い時代さ。
マナミ　現れている、利に捕われると、どうなるの？
マサシ　無理して、害を隠そうとし、矛盾が埋まれる。
マナミ　矛盾を認めず、問題を隠すと、どうなるの？
マサシ　次第に、問題が増えて来て、条件が緊くなる。
マナミ　貧しい時代、衰退って、どういうものなの？
マサシ　衰退とは、利が隠される、条件が緊い時代さ。
マナミ　隠れている、利に囚われると、どうなるの？
マサシ　無理して、利を現そうとし、矛盾が生まれる。
マナミ　矛盾を認めて、問題を解くと、どうなるの？
マサシ　次第に、問題が減って来て、条件が緩くなる。
マナミ　利に捕われると、繁栄することは解るけど、
　　　　利に囚われるから、衰退することも有るのね。
マサシ　そうだよ、そもそも、利と害は表と裏なのさ。
　　　　にもかかわらず、欲を持って、利ばかり望む。
マナミ　すなわち、利を望んでいて、害に臨んでない。
　　　　それ自体が、有り得ないこと、矛盾なわけね。
マサシ　そうさ、それを認めるまで、時代は繰り返す。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　繁栄　の先に　衰退

サトミ　理が栄える、繁栄って、どういうものかな？
メグミ　繁栄とは、害が隠されて、利が現れるときよ。
サトミ　理が衰える、衰退って、どういうものかな？
メグミ　衰退とは、利が隠されて、害が現れるときよ。
サトミ　う～ん、同じ理なのに、感じ方が変わるの？
メグミ　うん、先ず利として、次に害として感じるよ。
サトミ　感じ方が、変り易い道は、どういうものかな？
メグミ　条件が狭い、表層の理ほど、周期が短いのよ。
サトミ　感じ方が、変り難い道は、どういうものかな？
メグミ　条件が広い、深層の理ほど、周期が長いのよ。
サトミ　利害を感じる、浅い理は、使い果し易いけど、
　　　　利害を観じない、深い理は、遣い果し難いの？
メグミ　そうよ、そもそも、理は、中立的なもので、
　　　　我の方が、利害を感じている、だけだからね。
サトミ　じゃあ、最も深い処にある、真の理は何かな？
メグミ　教えても、構わないけど、何で聞きたいの？
サトミ　だって、永遠に変わらない、真相の理でしょ。
　　　　あたしも、興味が有るし、真理を聴きたいの。
メグミ　うふっ、好奇で聞くと、後悔に変りやすいよ。
サトミ　……………………

ＣＡＳＥ　繁栄　という　衰退

サトミ　ねぇ、あたしも、人気者になりたいんだけど。
マナミ　上策と下策、あなたは、どちらを選びたいの？
サトミ　じゃあ、手軽に使えるのは、どういう策なの？
マナミ　下策では、利を用いて、思いのままに操るの。
サトミ　心理に従い、表層の心を誘うと、どうなるの？
マナミ　浅い心は、利も感じ易いけど、害も感じ易い。
サトミ　じゃあ、手間を要するのは、どういう策なの？
マナミ　上策では、理を用いて、在りのままに則るの。
サトミ　真理に順い、深層の心に導くと、どうなるの？
マナミ　深い心は、利も感じ難いけど、害も感じ難い。
サトミ　つまり、人の心を、利で操る方が容易いけど、
　　　　すぐ、利が害に変るから、人気が続かないの？
マナミ　たとえ、色仕掛けや、馬鹿騒ぎで、誘っても、
　　　　そんな流行は、害を招き寄せて、すぐ消える。
サトミ　つまり、策など弄さず、地道にやれってこと？
マナミ　うん、本当の意味で、人気者になりたいなら。
サトミ　なによ、そんなのって、面倒なだけじゃない。
　　　　もう、いいわ、あたしは、別の人に聴くから。
マナミ　それでも、わたしは、本当の事しか言えない。
サトミ　……………………

ＣＡＳＥ　衰退なき繁栄　と　繁栄なき衰退

サトミ　繁栄と衰退、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　利が表れる、繁栄って、どういうものかな？
メグミ　繁栄とは、矛盾が隠れる、時代の善い面だよ。
サトミ　害が現れる、衰退って、どういうものかな？
メグミ　衰退とは、矛盾が現れる、時代の悪い面だよ。
サトミ　繁栄を望み、衰退に臨まないと、どうなるの？
メグミ　衰退なき繁栄なんて、唯の自暴に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、繁栄を楽しんで、不実に被われるの？
メグミ　そうよ、衰退を見とめず、誠実を認めないよ。
サトミ　衰退を望み、繁栄に臨まないと、どうなるの？
メグミ　繁栄なき衰退なんて、只の自棄に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、衰退に苦しんで、絶望に覆われるの？
メグミ　そうよ、繁栄を見とめず、希望を認めないよ。
サトミ　繁栄だけは、負い切れない、苦に抱かれて、
　　　　衰退ばかりは、立ち直れない、苦に擁かれる？
メグミ　うん、繁栄と衰退、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、衰退に臨んで、繁栄を望んでいくの？
メグミ　うん、衰退を負って、繁栄を追っていくのよ。
サトミ　……………………！！