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物語編

第一章 第五十話 対話編

CASE 自由 の裏に 平等

 

マナミ 選べること、自由って、どういうものなの?
マサシ 自由とは、自我を持って、特殊を望むことさ。
    いつも、自由が生まれると、平等が産まれる。
マナミ 平等を負わず、自由を追うと、どうなるの?
マサシ たとえ、平等を逃れても、平等が逼ってくる。
    即ち、平等に臨まない、自由は望めないのさ。
マナミ すると、平等を負う自由が、真の自由なの?
マサシ うん、平等を負わない自由は、唯の不自由さ。
マナミ 等しいこと、平等って、どういうものなの?
マサシ 平等とは、自然を以って、普遍に臨むことさ。
    いつも、平等が生まれると、自由が産まれる。
マナミ 自由を追わず、平等を負うと、どうなるの?
マサシ たとえ、自由を避けても、自由が迫ってくる。
    即ち、自由を望まない、平等は臨めないのさ。
マナミ すると、自由を追う平等が、真の平等なの?
マサシ うん、自由を追わない平等は、只の不平等さ。
マナミ いくら、特殊を望んでも、普遍に臨んでいく。
    要するに、自我でさえ、自然の一部なわけね。
マサシ それを、認めない自由は、認める平等になる。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 自由 の先に 平等

 

サトミ 自我に依る、自由って、どういうものかな?
メグミ 自由とは、思いのままに、自我を望むことよ。
サトミ 自然に拠る、平等って、どういうものかな?
メグミ 平等とは、在りのままに、自然に臨むことよ。
サトミ じゃあ、自我を望むならば、自然に臨むの?
メグミ うん、自由を望むならば、平等に臨むべきよ。
サトミ 平等を負わず、自由を追うと、どうなるの?
メグミ いつも、思いのままに、選んでしまう自由は、
    必ず、在りのままに、択んでしまう不自由よ。
サトミ つまり、自然を負うから、自由を見とめるの?
メグミ そうだよ、真の自由は、自然を認めているの。
サトミ 自由を追わず、平等を負うと、どうなるの?
メグミ いつも、在りのままに、誘われている平等は、
    皆が、思いのままに、導かれている不平等よ。
サトミ つまり、自我を追うから、平等を見とめるの?
メグミ そうだよ、真の平等は、自我を認めているの。
サトミ そっか、自我だけ見ても、自由は認めない。
    逆に、自然だけ見ても、平等は認められない。
メグミ うふっ、このように、一切を認めてこそなの。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 自由 という 平等

 

サトシ この、不自由な世の中を、僕は自由にしたい!
アツシ そうか、君が考える自由は、どういうものだ?
サトシ そうだね、思いのままに、誰もが出来ること。
アツシ 現実的には、誰もが好きに、出来ないだろう。
    衝突して、適えられない時は、どうするんだ。
サトシ だからこそ、等しく叶える、世界にするんだ。
アツシ それでは、平等を訴える、自由に過ぎないぞ。
    たとえ、自由だろうと、すぐに不自由になる。
サトシ そういう、君の存在こそが、自由の敵なんだ。
アツシ 真の自由は、平等に変る、自由に他ならない。
    即ち、平等に変らない、自由は適えられない。
サトシ じゃあ、真の自由は、理想というわけでなく、
    自ずから、出で現れる、現実ということなの?
アツシ そうだ、生まれながらに、我々は自由なんだ。
    その上で、移り変わるとき、真の自由になる。
サトシ たとえ、君が正しくても、僕は認めたくない。
    それより、僕と一緒に、自由を適えていこう。
アツシ ほらな、知らないうちに、自分に酔っている。
    夢物語を、訴えているから、自由が見えない。
サトシ ……………………

 


 

CASE 平等 という 自由

 

サトシ 僕と共に、自由と平等、これを勝ち取ろう!
マサシ 元より、そうしなくても、自由で平等なのさ。
    逆に、そうしていると、不自由で不平等だよ。
サトシ 絶対に、そんなことない、現実を見るべきだ。
マサシ この世は、為したことしか、返らないのさ。
    為すことは、自由であり、返るものは平等さ。
サトシ それなら、自由を求めても、良いはずだよ。
マサシ いいよ、でも、自由に、不平等を感じるだけ。
サトシ いや、どうして、自由に、不平等を感じるの?
マサシ 誰かを、自由にすれば、誰かが不自由になる。
    即ち、不平等を認めずに、自由は望めないよ。
サトシ それなら、平等を求めても、良いはずだよ。
マサシ いいよ、でも、平等に、不自由を感じるだけ。
サトシ いや、どうして、平等に、不自由を感じるの?
マサシ 全てを、平等にすれば、全てを押さえ付ける。
    即ち、不自由を認めずに、平等は望めないよ。
サトシ 自由を望めば不平等、平等を望めば不自由。
    う~ん、困ったな、どうすれば良いんだろう。
マサシ 不自然に望んだからさ、自然に臨めば良いよ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 平等なき自由 と 自由なき平等

 

サトミ 自由と平等、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 異なること、自由って、どういうものかな?
メグミ 自由とは、思いのままに、自我に従うことよ。
サトミ 等しいこと、平等って、どういうものかな?
メグミ 平等とは、在りのままに、自然に順うことよ。
サトミ 自由を望み、平等に臨まないと、どうなるの?
メグミ 平等なき自由なんて、不自由に過ぎないよ。
サトミ じゃ、自我に捕われて、不平等になるのかな?
メグミ そうよ、平等を問われて、不自由になるのよ。
サトミ 平等を望み、自由に臨まないと、どうなるの?
メグミ 自由なき平等なんて、不平等に過ぎないよ。
サトミ じゃ、平等に囚われて、不自由になるのかな?
メグミ そうよ、自由を問われて、不平等になるのよ。
サトミ 自由だけは、自由を望んで、不自由に臨み、
    平等ばかりは、平等を望んで、不平等に臨む?
メグミ うん、自由と平等、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、平等を介して、自由を解していくの?
メグミ うん、平等を負って、自由を追っていくのよ。
サトミ ……………………!!

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