物語編
第一章 第五一話 物語編
第一章 自由 と 責任
第五一話 原因を捉える と 結果を捕える
この世のものとは思えぬ、恐ろしい形相だった。
何かが取り憑いているのか、あるいはそのものか。
しかし、次の瞬間、主の顔から、憤怒が抜け落ちた。
〔叱咤激励は、これぐらいで、止めておこうか。
暗愚なる神々よ、愚かな子ほど、可愛いものだが、
だからとて、だからこそ、甘やかすことは出来ない。〕
老師は含み笑いをし、空中を指差し数え始めた。
一人も、数え漏らさないよう、丁寧に数え切ると、
前回より、多く残っておるなと、天真爛漫に喜んだ。
〔愛する我が子、守護神よ、我が意は通じたな。
この次は、二千年後から、この地に集まって来た、
彼を見守る、愛する我が子、守護霊に語り掛けよう。〕
〔あたかも、現在の世界が、そうであるように、
君たちが、暮らしている、二千年後の人の世界は、
あらゆる価値が説かれ、真理が隠されているだろう。〕
〔初心な覚者が、意気揚々と、空論を唱えれば、
神憑り信者が、威風堂々と、天獄を説いていよう。
高次元と見れば、幼子に縋る、永遠の未成年ばかり。〕