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物語編

第一章 第五二話 対話編

CASE 平等 の裏に 変化

 

マナミ 揃えること、平等って、どういうものなの?
マサシ 平等とは、自然を持って、結果に臨むことさ。
    いつも、平等が生まれると、変化が埋まれる。
マナミ 変化を負わず、平等を追うと、どうなるの?
マサシ たとえ、変化を逃れても、変化が逼ってくる。
    即ち、変化に臨まない、平等は望めないのさ。
マナミ すると、変化を負う平等が、真の平等なの?
マサシ うん、変化を負わない平等は、唯の不平等さ。
マナミ 変えること、変化って、どういうものなの?
マサシ 変化とは、自然を以って、経過に臨むことさ。
    いつも、変化が生まれると、平等が埋まれる。
マナミ 平等を追わず、変化を負うと、どうなるの?
マサシ たとえ、平等を避けても、平等が迫ってくる。
    即ち、平等を望まない、変化は臨めないのさ。
マナミ すると、平等を追う変化が、真の変化なの?
マサシ うん、平等を追わない変化は、只の無変化さ。
マナミ つまり、結果に臨むなら、経過に臨んでいる。
    要するに、平等と変化って、表裏だったのね。
マサシ それを、認めない平等は、認める変化になる。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 平等 の先に 変化

 

サトミ 空間に依る、平等って、どういうものかな?
メグミ 平等とは、在りのままに、空間を均すことよ。
サトミ 時間に拠る、変化って、どういうものかな?
メグミ 変化とは、在りのままに、時間を慣すことよ。
サトミ じゃあ、空間を均すならば、時間を慣すの?
メグミ うん、平等に均すならば、変化に慣れるのよ。
サトミ 変化を負わず、平等を追うと、どうなるの?
メグミ 空間に、均らされて、固められた平等なんて、
    一旦、壊れてしまうと、直らない不平等だよ。
サトミ つまり、時空を負うから、平等を感じるの?
メグミ そうだよ、真の平等は、時空を介しているの。
サトミ 平等を追わず、変化を負うと、どうなるの?
メグミ 時間に、慣らされて、気づかない変化なんて、
    一斉、変ろうとしても、換らない無変化だよ。
サトミ つまり、時空を追うから、変化を観じるの?
メグミ そうだよ、真の変化は、時空を解しているの。
サトミ そっか、空間だけ見ても、平等は認めない。
    逆に、時間だけ見ても、変化は認められない。
メグミ うふっ、このように、時空を認めてこそなの。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 平等 という 変化

 

サトシ この、不平等な世の中を、僕は平等にしたい!
アツシ そうか、君が考える平等は、どういうものだ?
サトシ そうだね、思いのままに、等しく出来ること。
アツシ 現実的には、誰もが等しく、出来ないだろう。
    全体から、外れてしまう者は、どうするんだ?
サトシ だからこそ、誰も外さない、世界にするんだ。
アツシ それでは、変化を避ける、平等に過ぎないぞ。
    たとえ、平等だろうと、すぐに不平等になる。
サトシ そういう、君の存在こそが、平等の敵なんだ。
アツシ 真の平等は、変化に臨む、平等に他ならない。
    即ち、変化に臨めない、平等は望めないんだ。
サトシ つまり、真の平等は、理想というわけでなく、
    自ずから、慣れ親しむ、現実ということなの?
アツシ そうだ、生まれながらに、我々は平等なんだ。
    その上で、突き詰めるとき、真の平等になる。
サトシ たとえ、君が正しくても、僕は認めたくない。
    それより、僕と一緒に、平等を適えていこう。
アツシ ほらな、知らないうちに、周囲を従えている。
    多様性を、避けているから、平等が見えない。
サトシ ……………………

 


 

CASE 変化 という 平等

 

サトシ 僕と共に、平等な社会、これを勝ち取ろう!
    そして、平等のためなら、段階は踏まないよ。
マサシ いや、変化の中にこそ、平等が在るんだよ。
    だから、平等を追うなら、変化を負うべきさ。
サトシ それなら、変化なき平等は、どういうもの?
マサシ 誰でも、変化に臨まずに、平等を望めないよ。
    変化に映される、平等を望めない、不平等さ。
サトシ それなら、平等なき変化は、どういうもの?
マサシ 誰でも、平等を望まずに、変化に臨めないよ。
    平等に移される、変化に臨めない、無変化さ。
サトシ 平等は、固まる中になく、変わる中にあり、
    自ら、変化に臨んで、自ずと悟るものなのか。
マサシ そうさ、君たちが、望んでいる平等なんて、
    不平等で、無変化な、只の絵空事に過ぎない。
サトシ 僕らは、平等の本質を、知らなかったわけか。
マサシ 嘘の平等を望むなら、この変化を見とめず、
    真実の平等を望むなら、この変化を認めなよ。
サトシ 僕たちは、本物の平等が、欲しかったんだ。
マサシ じゃあ、今、この瞬間から、変化を与えなよ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 変化なき平等 と 平等なき変化

 

サトミ 平等と変化、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 均らすこと、平等って、どういうものかな?
メグミ 平等とは、在りのままに、空間を均すことよ。
サトミ 変えること、変化って、どういうものかな?
メグミ 変化とは、在りのままに、時間を慣すことよ。
サトミ 平等を望み、変化に臨まないと、どうなるの?
メグミ 変化なき平等なんて、不平等に過ぎないよ。
サトミ じゃ、平等に捕われて、無変化になるのかな?
メグミ そうよ、変化を問われて、不平等になるのよ。
サトミ 変化を望み、平等に臨まないと、どうなるの?
メグミ 平等なき変化なんて、無変化に過ぎないよ。
サトミ じゃ、変化に囚われて、不平等になるのかな?
メグミ そうよ、平等を問われて、無変化になるのよ。
サトミ 平等だけは、平等を望んで、不平等に臨み、
    変化ばかりは、変化を望んで、無変化に臨む。
メグミ うん、平等と変化、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、変化を介して、平等を解していくの?
メグミ うん、変化を負って、平等を追っていくのよ。
サトミ ……………………!!

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