物語編
第一章 第五三話 概念編
第一章 自然性
第五三回 自我 の裏に 自然
自我は、横から見とめる、小さな器のこと
自然とは、上から見とめる、大きな器のこと
自我が見ると、思いのままに、世界を見とめて
自然から見ると、在りのままに、世界を見とめる
自我とは、思いのままに、世界を想像して
好いものと、嫌いなものに、選り分けるもの
小さな器ほど、欲を望むため、善と悪に分けて
善を望んで、悪に臨まなくなり、更に小さくなる
自然とは、在りのままに、世界を創造して
好いものも、嫌いなものも、受け容れるもの
大きな器ほど、徳に臨むため、善と悪に別けず
善を解さず、悪を介さなくなり、更に大きくなる
自我が生まれるとき、自然が埋まれている
自我のない自然もなく、自然なき自我もない
仮に、自我が認めないと、自然は認められない
反対に、自然が認めないと、自我は認められない