物語編
第一章 第五四話 物語編
第一章 偶然 と 必然
第五四話 自我に見える と 自然に見える
〔今まで、人類の歴史は、悪魔の支配下にあり、
人類は、虐げられ続けたが、天使が悪魔に勝利し、
ようやく、人類は救い出され、地上は楽園に変わる。〕
〔定説を覆す、神々が説く、未来は真実である。
高次の存在には、必要だから、説いて頂いている。
しかし、これすら、覆えされる、一厘の仕組が残る。〕
さながら、親が、幼い我が子にしてやるように、
老師は、私を立たせると、膝の汚れを祓い取った。
それから、両肩を掴まえて、私の意識を呼び起した。
そして、私の目に、輝きが戻ったのを認めると、
総て受け容れる、引き込まれるような優しい目で、
二千年後から、集って来た霊を、一人ずつ見渡した。
〔天界の神では、果したくても、果せない仕組。
人にしか負えない、最後の仕組を、司るものこそ、
この時代の君と、二千後の君ら、真理の御霊である。〕
〔因縁の御魂よ、君らの事は、良く知っている。
この時の為に、悉く鍛え抜いた、精鋭の中の精鋭。
勇者が逃げ出す、厳酷なる輪廻に、良く堪え抜いた。〕