物語編
第一章 第五四話 概念編
第一章 当然性
第五四回 偶然 の裏に 必然
偶然は、果が見えても、因が見えないこと
必然とは、果も見とめて、因も見とめること
偶然は、自我が解しながら、自然を歪めること
必然とは、自我を介しながら、自然を認めること
自我とは、欲を持って、善だけを望むもの
善を認めて、悪を認めず、自然に見ないから
悪に隠された、因が見えず、偶然に感じられる
自我にとり、必要なものほど、必然的に悪く映る
自然とは、徳を以って、総べてに臨むもの
善も認めて、悪も認めて、自然に見えるから
悪に隠された、因も見えて、必然に観じられる
自我にとり、意味があるほど、偶然的に良く写る
当然性とは、自然の因は、自我の中にあり
偶然が究められると、必然に極められること
自我に寄ると、当然の如く、自然は偶然になり
自我を離れると、天然の如く、自然は必然になる