物語編
第一章 第五五話 物語編
第一章 意志 と 意思
第五五話 自我が認める と 自然が認める
〔二千年後、暗黒時代から、黄金時代を迎える。
様々な入口が、説かれる中で、唯一の出口を解く、
尾張の仕組みを、整える者こそ、真理の御霊である。〕
〔甲であると望む者に、甲でないと認めさせる。
道の半ばで躓く者に、何ら入口は間違っていない、
自らが誤まっていると、真逆の出口に導く役である。〕
〔誰からも好かれず、誰からも見とめられない。
苦しい事もあるだろう、泣きたい事もあるだろう。
これらを、ひたすら、堪えて来たのが「彼」である。〕
〔彼の使命、その片鱗を、肩代りしてみなさい。
彼が救われることなく、世が救われることはない。
汝らは、立役者なきまま、祝杯を掲げ虚しくないか。〕
老師は、大粒の涙を流して、私の目を見つめた。
総てが分かっているのに、何も伝えては為らない。
子を見捨てざる得なかった、親の切なさが伝わった。
〔人界を立て直すだけなら、彼を屠れば済むが、
三千世界を立て直すなら、彼を救わねば為らない。
九分九厘の神霊が彼を屠り、一厘の御霊が彼を救え。〕
〔一厘の仕組、最悪の業を司る者が、汝である。
我が息子よ、善くぞ訪ねて来た、神は喜んでいる。
誰も寄らない、極め付けの死地は、汝こそ相応しい。〕