第一章　　　　　蓋然性
第五五回　意志　の裏に　意思

意志は、横から捕える、小さな思いのこと
意思とは、上から捉える、大きな想いのこと
意志は、自我が選んでいる、個別の原因であり
意思とは、自然が択んでいる、全体の結果である

自我とは、意が分かれて、意志を表すもの
我を解して、自然を離れて、自我から見ると
何かしら、意が逆らって、叶わないことが多い
つまり、自我から眺めると、意のままに見えない

自然とは、意を合わせて、意思を現すもの
我を介さず、自我を離れて、自然から見ると
何かしら、意が選ばれて、適わないことが無い
つまり、自然から眺めると、想いのままに見える

意志が生まれるとき、意思が埋まれている
意思のない意志もなく、意志なき意思もない
意志は、我が意を持って、突き詰める意であり
意思とは、皆の意を以って、受け容れる意である