物語編
第一章 第五七話 概念編
第一章 善悪性
第五七回 善 の裏に 悪
善は、良くを持って、欲を積み重ねること
悪とは、良くを以って、欲を詰み重ねたこと
善は、欲の良い面にして、先に味わう段であり
悪とは、欲の飽く面にして、後に味わう階である
良くとは、今よりも、良いことを望むこと
下に居ると、上が開き、下が閉じているため
自ずから、欲を持ち、今より上を望もうとする
つまり、空いていると、飽きる事なく、善を望む
飽くとは、今よりも、悪いことに臨むこと
上に居ると、上が閉じ、下が開いているため
自ずから、慢を抱き、今より下に臨もうとする
つまり、飽いていると、厭きる事なく、悪に臨む
今よりも良くなるか、今よりも悪くなるか
欲が寡いと、今より良くなる、余地が大きく
欲が多いほど、今より善くなる、余地が少ない
最終的に、良くが究められて、飽くに極められる