物語編
第一章 第五九話 概念編
第一章 愛情性
第五九回 愛 の裏に 情
情は、感情を介して、対象を見とめること
愛とは、感情を介さず、対象を見とめること
情は、勘定が働いて、愛が現れて、憎も表れる
愛には、勘定が働かず、憎が消えて、愛が現れる
情とは、自我に塗れて、相手に接すること
相手から、好かれるなら、自分も愛していき
其の人から、嫌われるなら、自分も憎んでいく
事情を解する、小さな愛では、感情まで害される
愛とは、自我を離れて、相手に接すること
相手から、好かれようと、自分は愛していき
其の人から、嫌われようと、自分は愛していく
事情を超える、大いなる愛は、感情を越えられる
情が生まれているとき、愛が埋まれている
憎に耽る愛などなく、情に溺れる愛などない
愛のない情は、近い者だけ愛する、偏愛であり
情のない愛とは、遠い者まで愛する、博愛である