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物語編

第二章 第七話 物語編

第二章    攻   と   守
第七話 虚が現われる と 実が現われる

 

而して、世界の表と裏を、行き来していると、
大よそ、万物の型の有り様を、認める事が出来た。
老子が創り上げた、この教団は、世界の縮図だった。

 

例えば、外の世界は、皆が偶像を望みたがり、
それを見て、中の人々は、罪が重いと蔑んでいる。
魅力ある者に、媚びる様を、冷めた目で眺めている。

 

しかし、体の美しさにせよ、神の美しさでも、
自らを貶め、外に神を望むなら、何ら変わらない。
我が内の神に、罪を着せる分、妄信の方が罪が重い。

 

例えば、外の世界は、誰もが位を望みたがり、
それを見て、中の世界は、業を深いと蔑んでいる。
地位ある者に、諂らう様を、褪めた目で眺めている。

 

しかし、顕界の位にしても、霊界の位にせよ、
下に臨まず、上ばかり望むなら、何ら変わらない。
壁が厚く、入れ替わらない分、高次の方が業が深い。

 

外に向けた剣が、すべて跳ね返って来ている。
それゆえ、ますます、剣を磨き上げる要が生じる。
最強の剣は、剣を捨てることと、何故、気づかない。

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