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物語編

第二章 第七話 対話編

CASE 攻 の裏に 守

 

マナミ 我が外に望む、攻って、どういうものなの?
マサシ 攻とは、己を責めないで、他を攻めることさ。
マナミ 外を攻め、内を責めないと、どうなるのかな?
マサシ 内なる虚が、実に変わらずに、虚しくなるよ。
マナミ 周りに望んで、心が空しいほど、どうなるの?
マサシ 外を攻めて、外に責められる、そう観じるよ。
マナミ 我が内に臨む、守って、どういうものなの?
マサシ 守とは、他を攻めないで、己を責めることさ。
マナミ 内を責め、外を攻めないと、どうなるのかな?
マサシ 内なる虚が、実に換わるから、充ちてくるよ。
マナミ 自らに臨んで、心が満ちるほど、どうなるの?
マサシ 内を守って、外に護もられる、そう感じるよ。
マナミ つまり、心が虚しいと、外に望んだとしても、
    ますます、争いが増えて、虚しさが広がるの?
マサシ そうさ、心が充ちると、内に臨んだとしても、
    ますます、喜びが殖えて、安らぎが拡がるよ。
マナミ 外に望まず、内に臨むこと、これが重要なの?
マサシ そうさ、真の我を守っている、発想にして、
    それゆえ、偽の我を攻めている、発想なのさ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 攻 の先に 守

 

サトミ 先手必勝よ、攻撃こそが、最大の防御なのよ。
マナミ 専守防衛なの、防御こそが、最大の攻撃なの。
サトミ 守っていたって、勝てる訳が、無いじゃない!
マナミ うん、弱者が戦う時は、攻めると勝てるの。
    反対に、強者が闘う刻は、攻めると負けるの。
サトミ どうして、弱い者同士では、守ると負けるの?
マナミ 弱い者同士、互いに弱い心を、映し合うから。
サトミ なるほど、弱い者の戦いは、虚を討つ試合。
    相手の、虚を攻める方が、虚を責められない?
マナミ うん、守ろうとしても、虚は突けないからね。
サトミ どうして、強い者同士は、攻めると負けるの?
マナミ 強い者同士、互いに強い心を、認め合うから。
サトミ なるほど、強い者の闘いは、実を見る試合。
    相手の、実を攻める方が、虚を責められるの?
マナミ うん、攻めようとして、虚が生まれるからね。
サトミ う~ん、そう言われても、攻撃した方が早い。
マナミ ここまで、説明しても、未だに、そう思うの?
サトミ そうよ、守るよりも、攻めた方が、早いもん。
マナミ そうかも、こんな人は、攻めた方が、早そう。
サトミ ……………………

 


 

CASE 守 という 攻

 

サトシ 守らないこと、攻って、どういうものかな?
アツシ 攻では、我が実を崩して、他の虚を突くんだ。
サトシ 攻めないこと、守って、どういうものかな?
アツシ 守では、他の虚を突かず、我が実を守るんだ。
サトシ 攻撃こそ、最大の防御って、言われるよね?
アツシ 防御こそが、最大の攻撃とも、考えられるが。
サトシ 攻撃こそ、防御になるのは、どういうとき?
アツシ 弱者の戦い、実が少なく、虚が多いときだな。
サトシ 防御こそ、攻撃になるのは、どういうとき?
アツシ 強者の闘い、虚が少なく、実が多いときだな。
サトシ なるほど、弱い者ほど、外と戦うようになり、
    反対に、強い者ほど、内と闘うようになるの?
アツシ ああ、あらゆる戦いは、周りと戦い始めて、
    互いに、磨き合いながら、自らと闘い始める。
サトシ それなら、勝つために、手段を選ばないとか、
    やたら、挑発的な人って、実は、弱い人なの?
アツシ 弱いほど、吠えやすいのは、獣と同じわけだ。
サトシ なんだ、恐そうに見えて、強く無かったのか。
アツシ こうして、弱い者ほど、弱みを晒してしまう。
サトシ ……………………

 


 

CASE 守のない攻 と 攻のない守

 

サトミ 攻と守、どちらの方を、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 虚を望むもの、攻って、どういうものかな?
メグミ 攻とは、実に臨むよりも、虚を望むことだよ。
サトミ 実に臨むもの、守って、どういうものかな?
メグミ 守とは、虚を望むよりも、実に臨むことだよ。
サトミ 攻を重んじて、守を軽んじると、どうなるの?
メグミ 守のない攻なんて、徒に攻めているだけよ。
サトミ じゃ、虚を望むだけで、実に臨まないのかな?
メグミ そうよ、実を守らないと、虚に観じてくるよ。
サトミ 守を重んじて、攻を軽んじると、どうなるの?
メグミ 攻のない守なんて、徒に守っているだけよ。
サトミ じゃ、実に臨むだけで、虚を望まないのかな?
メグミ そうよ、虚を攻めないと、実に感じてくるよ。
サトミ 攻だけでは、虚が多くなり、攻め切れない。
    守ばかりでは、実が多くなり、守り切れない?
メグミ そうよ、攻と守、そのどちらも、必要なのよ。
サトミ じゃ、守を究めながら、攻を極めていくの?
メグミ うふっ、守を超えながら、攻を越えていくの。
サトミ ……………………!!

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