ＣＡＳＥ　礼　の裏に　義

マナミ　礼儀の前の字、礼って、どういうものなの？
マサシ　礼とは、責任を負うとき、自由に追うものさ。
マナミ　責任に臨み、自由を望むって、どういうこと？
マサシ　得てして、責任を負うとき、不自由と化す。
　　　　だから、自ら責任を追い、他人に負わせない。
マナミ　他人にも、不自由を負わせたら、どうなるの？
マサシ　その途端に、礼が廃れていき、令に堕ちるよ。
マナミ　礼とは、自らに科すもので、他に課せないの？
マサシ　うん、礼儀を命令したら、失礼に過ぎないよ。
マナミ　礼儀の後の字、義って、どういうものなの？
マサシ　義とは、自由を追うとき、責任を負うものさ。
マナミ　自由を望み、責任に臨むって、どういうこと？
マサシ　得てして、自由を追うとき、無責任と化す。
　　　　だから、自ら責任を負い、責任に追われない。
マナミ　自分から、無責任に逃がれたら、どうなるの？
マサシ　その瞬間に、義が廃れていき、偽に落ちるよ。
マナミ　義とは、自らが科すもので、他は課せないの？
マサシ　うん、大義を号令したら、不義に過ぎないよ。
　　　　まさに、本来の礼儀は、心から伝わるものさ。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　礼　の先に　義

サトミ　内容を重んじる、礼って、どういうものかな？
メグミ　礼とは、型に従うとき、心を伴わせることよ。
サトミ　もし、心が伴なわないと、どうなるのかな？
メグミ　内から、型に順わないから、人に伝わらない。
サトミ　型に偏り、礼に欠けると、どうなるのかな？
メグミ　外から縛る、寒い礼なんて、令に過ぎないよ。
サトミ　礼を尽すなら、内から伝わる、意を交すべき？
メグミ　そうよ、外から強いる、礼儀なんて無礼だよ。
サトミ　形式を重んじる、義って、どういうものかな？
メグミ　義とは、心が伴うとき、型に従わせることよ。
サトミ　もし、型に従がわないと、どうなるのかな？
メグミ　外から、心は見えないから、人に伝わらない。
サトミ　心に偏り、義に欠けると、どうなるのかな？
メグミ　内だけ昂る、熱い義なんて、偽に過ぎないよ。
サトミ　義を語るなら、外にも伝わる、理を通すべき？
メグミ　うん、内だけ訴える、礼儀なんて不義理だよ。
サトミ　そっか、礼と義こそが、礼儀の両輪であり、
　　　　内も外も、充たされると、真心が伝わるのね。
メグミ　うふっ、伝わったかな、これが私なりの礼儀。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　礼　という　義

サトシ　内を随がわせる、礼って、どういうものかな？
アツシ　礼とは、礼儀に於いて、内面を司るものだな。
サトシ　外を伴なわせる、義って、どういうものかな？
アツシ　義とは、礼儀に於いて、外面を司るものだな。
サトシ　礼と義を、合わせないと、礼儀に成らないの？
アツシ　例えば、失礼な奴だと、怒る人が居るだろう。
サトシ　うん、自らが従うものに、他が順わないとね。
アツシ　そんな礼は、心が随わない、令に過ぎないな。
サトシ　うん、心を伝えるはずが、心は冷えていくね。
アツシ　例えば、不義理な奴と、怒る人が居るだろう。
サトシ　うん、自らが解すものを、他が介さないとね。
アツシ　そんな義は、真が伴わない、偽に過ぎないな。
サトシ　うん、真を伝えるはずが、真は歪んでいくね。
アツシ　つまり、礼と義を合わせて、礼儀となるとき、
　　　　はじめて、真と心が合わさり、真心が伝わる。
サトシ　そうか、冷たく強いても、命令に過ぎないし、
　　　　逆に、熱く訴えようと、義憤に過ぎないのか。
アツシ　礼儀は、押し付けないで、磨き上げるものだ。
　　　　こうして、真心を込め、伝えて行くしかない。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　義のない礼　と　礼のない義

サトミ　礼と義、どちらの方を、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　心を通すもの、礼って、どういうものかな？
メグミ　礼とは、型を介して、心を篭めることなのよ。
サトミ　芯を徹すもの、義って、どういうものかな？
メグミ　義とは、理を解して、真を籠めることなのよ。
サトミ　礼を重んじて、義を軽んじると、どうなるの？
メグミ　義のない礼なんて、単なる慣例に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、型を介しても、理を解さないのかな？
メグミ　そうよ、意が分からず、意が伴わなくなるよ。
サトミ　義を重んじて、礼を軽んじると、どうなるの？
メグミ　礼のない義なんて、単なる義理に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、理を解しても、型を介さないのかな？
メグミ　そうよ、意が伴なわず、意が分かれていくよ。
サトミ　礼だけは、意味が分らず、意識が随わない。
　　　　義ばかりは、意識が伴わず、意味が別かれる？
メグミ　そうよ、礼と義、その両方が、必要になるの。
サトミ　じゃ、礼を介しながら、義を解していくの？
メグミ　うふっ、礼を感じながら、義を観じていくの。
サトミ　……………………！！