物語編
第二章 第十一話 概念編
第二章 朝三暮四
第十一回 獣性 の裏に 人性
獣性は、欲を抑えない、法を破る性のこと
人性とは、欲に溺れない、法を守る性のこと
獣性は、利を追う性にして、理を破る性であり
人性とは、理を負う性にして、理を守る性である
理は、利が生まれると、害も産まれること
先に利を受けるとき、後に害が回されている
自らが利を享けるとき、他の利が奪われている
獣の世は、公の理を破り、私の利が壊されていく
理は、害が生まれると、利が産まれること
先に害を受けるとき、後に利が回されている
自らが害を享けるとき、他に利が譲られている
人の世は、公の理を守り、私の利が護られていく
朝三暮四とは、朝に三つ、暮に四つ貰うか
朝に四つ、暮に三つ貰うか、共に七つなこと
理を破ると、奪い合いになり、総じて害が多く
理を守るとき、譲り合いになり、総じて利が多い