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物語編

第二章 第十四話 対話編

CASE 勝 の裏に 負

 

マナミ 価値が有る、勝ちって、どういうものなの?
マサシ 勝ちとは、価値を楽しむ、良い面のことだよ。
マナミ 勝ち組みが、勝ちに拘ると、どうなるのかな?
マサシ 負け組に、価値が届かず、価値が上がらない。
マナミ 価値が無い、負けって、どういうものなの?
マサシ 負けとは、価値に苦しむ、悪い面のことだよ。
マナミ 負け組みが、勝ちを妬むと、どうなるのかな?
マサシ 勝ち組に、価値を学ばず、価値を味わえない。
マナミ 勝者は、負け組に、価値を授けるべきだし、
    負け組は、勝ち組に、価値を教わるべきなの?
マサシ うん、価値を高めたいなら、そうするべきさ。
マナミ じゃあ、価値を低めたいなら、どうするべき?
マサシ 勝ち組は、負け組を育てず、蔑めば良いし、
    負け組みは、勝ち組に学ばず、嫉めば良いよ。
マナミ じゃ、負け組は、勝ち組を妬んでしまうと、
    完全に、勝ち組の、掌の上で踊ってしまうの?
マサシ うん、価値を教わるか、価値から離れるかさ。
マナミ そっか、学べない価値に、固執しなくて良い。
マサシ こうした、価値ある道以外、離れても良いよ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 勝 の先に 負

 

メグミ 価値観とは、勝ち負けを生む、観方のこと。
    どんな価値も、囚われると、総じて零になる。
サトミ ゼロサム、総じて零って、どういうことかな?
メグミ 誰かが勝てば、誰かが負ける、仕組のことよ。
サトミ すなわち、何も無い所に、勝ちを造ったら、
    その裏には、同じ分だけの、負けが作られる?
メグミ そうよ、勝ち負けなんて、相対的なもので、
    絶対的な、価値なんて、何処にも無いからね。
サトミ 一つも、無いのかな、お金の価値なんてどう?
メグミ もし、お金を得ることを、勝ちとするなら、
    反対に、お金を失うことが、負けとなるのよ。
サトミ でも、誰かが得をすれば、誰かが損している。
    つまり、得をした人は、勝ち組じゃないかな?
メグミ 逆よ、お金を得た人だけ、お金を失えるの。
    つまり、お金を得た人こそ、負け組みなのよ。
サトミ もう、そういう考え方は、負け惜しみだよね。
メグミ ううん、勝った方こそ、価値を失えるのよ。
サトミ もう、そう考える方こそ、負けなんだからね。
メグミ うふっ、何も無かった所に、勝ちが出来たね。
サトミ ……………………

 


 

CASE 負 という 勝

 

サトシ あ~あ、また、負けちゃった、悔しいなあ。
マナミ それなら、勝者を妬むより、敬う方が良いの。
サトシ 無理だって、あんな嫌な人は、尊敬できない。
    だって、負けた僕のこと、蔑んで来るんだよ。
マナミ あなたが、望みたい価値は、称えるべきで、
    反対に、臨みたくない価値は、許すべきなの。
サトシ 望みたい、価値を称えると、どうなるのかな?
マナミ いずれ、価値が伝わって、勝者になれるのよ。
サトシ 望みたい、価値を妬んだら、どうなるのかな?
マナミ ずっと、価値が伝わらず、敗者のままなのよ。
サトシ 望まない、価値を許したら、どうなるのかな?
マナミ ずっと、価値に染まらず、別格のままなのよ。
サトシ 望まない、価値を蔑んだら、どうなるのかな?
マナミ いずれ、価値に染まって、同格になるだけよ。
サトシ 僕が、善い処を妬めば、敗者のままになるし、
    さらに、悪い所を蔑めば、同格になるわけか。
マナミ うん、それで良いなら、そうすれば良いの。
サトシ そっか、負けたら負けたで、学ぶこと多いね。
マナミ 寧ろ、勝ちに優る価値は、負けから学べるの。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 負け続ける と 勝ち続ける

 

サトミ もう、あの人たちって、礼儀を知らないわ。
    彼らは、相手を尊重する、精神が全くないの。
マナミ うん、負け続けていたから、仕方が無いの。
サトミ 勝ちを知らず、負け続けると、どうなるわけ?
マナミ 勝者を認めると、再び負けると、思っている。
サトミ 勝利の美酒を、妬ましいって、想っていると、
    ずっと、価値を収められず、弱者に留まるの?
マナミ うん、勝者を称えないと、強者に成れないの。
サトミ 負けを知らず、勝ち続けると、どうなるわけ?
マナミ 敗者を認めると、再び勝てると、思っている。
サトミ 敗北の悪酔を、仕方ないって、想っていると、
    もっと、価値を納められて、強者に止まるの?
マナミ うん、敗者を許さないと、強者に為れないの。
サトミ 確かに、その通りだけども、認めたくないな。
マナミ あなたは、彼らのことを、そんな許せないの?
サトミ ううん、彼らを赦すことは、難しくないのよ。
マナミ うん、無礼を許すことが、勝者の学び方なの。
サトミ でもね、ここでも学んだと、認めてしまうと、
    また、あんたに負けるわ、それが赦せないの。
マナミ ……………………

 


 

CASE 負のない勝 と 勝のない負

 

サトミ 勝ちと負け、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 価値を得る、勝ちって、どういうものかな?
メグミ 勝ちとは、価値を比べて、優れていることよ。
サトミ 価値を失う、負けって、どういうものかな?
メグミ 負けとは、価値を較べて、劣っていることよ。
サトミ 勝ちを望み、負けに臨まないと、どうなるの?
メグミ 負けなき勝ちなんて、唯の卑劣に過ぎないよ。
サトミ じゃ、勝ちに甘んじて、勝ちを伝えないの?
メグミ そうよ、価値を授けずに、価値が摩り減るよ。
サトミ 負けを望み、勝ちに臨まないと、どうなるの?
メグミ 勝ちなき負けなんて、只の卑怯に過ぎないよ。
サトミ じゃ、負けに甘んじて、負けを改めないの?
メグミ そうよ、価値を修めずに、価値を擦り替える。
サトミ 勝だけは、価値を広めずに、貶めてしまい、
    負ばかりは、価値を認めずに、辱めてしまう。
メグミ うん、勝ちと負け、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、負けに臨み、勝ちを望んでいくの?
メグミ そうなの、負けを究め、勝ちを極めていくの。
サトミ ……………………!!

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