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物語編

第二章 第十八話 物語編

第二章    治世   と   乱世
第十八話 条件が緩やか と 条件が厳しい

 

斯くまで、隠者や道化の類いが、汝は嫌いか。
道家と道化は、似て非なる者と、汝は見ているか。
その差が解らず、道士を危めれば、道を踏み外すぞ。

 

面白い、道家と道化の差を、我に説いてみよ。
道家とは、分別に囚われない、賢者の段であり、
道化とは、分別など持っていない、愚者の階である。

 

道理は、陽が生まれると、陰が埋まれること。
陽なき陰は有り得ないし、陰なき陽も有り得ない。
陽を追えば陰を負うし、陰を負うなら陽に覆われる。

 

この世は、遅かれ早かれ、裏が表に現われる。
その時、人は、捨てたものを、拾わねばならない。
即ち、陰陽の世界に暮せば、因果の応報を免れない。

 

言うなれば、天網恢恢、疎にして、漏らさず。
天の法網は、遅れはしても、返らないことはない。
この天の理を、愚者は認めず、賢者のみ認められる。

 

人の手で、善には賞を返し、悪には罰を返す、
人の法は、愚か者のために、天の法を擬したもの。
元より、賢き者は、人の法に縛られる、必要がない。

 

更に、人の法には、例外があり、漏れが有る。
或る法の漏れを、別の法で取り繕い、切りが無い。
たとえ、善き法も、時が変われば、悪しき法となる。

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