物語編
第二章 第二十話 物語編
第二章 上向 と 下向
第二十話 一元に向かう と 二元に向かう
『なるほど、言いたいことは、こういうことか。
成長の段階で、小人と大人と真人に、分かれるが、
それぞれを導く、法家と儒家と道家に、別れている。』
『小人の段は、放っておいたら、悪と化すもの。
それゆえ、法を説き、悪を懲らし、善に進ませる。
つまり、法家とは、律を課して、信賞必罰とする段。』
『大人の段は、放っておいたら、善と化すもの。
それゆえ、徳を説き、悪を許して、善を譲らせる。
つまり、儒家とは、仁を垂れて、大器晩成とする段。』
『真人の段は、放っておいても、徳と化すもの。
それゆえ、道が解かれ、悪も善も、自然に楽しむ。
つまり、道家とは、型を演じて、無為自然となる段。』
「然り、実に、我が師は、この道を究めしもの。
法を修めて、仁を尽くして、道に至ったのであり、
道から外れて、愛を無くして、法を破ってはいない。」
「法の段の者が、道の段の者を裁けるだろうか。
否、上から下は見えても、下からは上は見えない。
汝らは、我が師を裁く前に、汝が目を覚ますべきだ。」