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物語編

第二章 第二一話 物語編

第二章    相生   と   相克
第二一話 隣り合う関係 と 向い合う関係

 

諫言、耳が痛い、君の言は、いちいち尤もだ。
非がないほど賢くなく、認めないほど愚かでない、
我が軍師として仕えぬか、王たる者に育ててやるぞ。

 

いいだろう、しかし、それには、条件がある。
老子を解放せよ、太上老君なき、天下に治教なし。
乱世を再び、治世に戻すには、君子の智徳が必要だ。

 

いや、それは、到底、出来ない約束だったな。
何だと、今し方、我が道理を解したではないか。
だからだ、それで、出来なくなったのではないか。

 

確かに、君の論で、彼が白眉なのは分かった。
しかし、君の理で、彼を処刑しなければならない。
私も、泣く泣く、彼を斬るしかなくなってしまった。

 

どういうことだ、師の才を認めたのではないのか。

 

いや、法治の先に徳治、それを思えばこそだ。
すなわち、悪法も又法なり、とは、君の言だった。
君の言に従うなら、彼を、悪法で裁かねばならない。

 

馬鹿な、これは特例だ、君子を損ねてはならない。

 

いや、人法の先に天法、それに学べばこそだ。
天網恢恢疎にして漏らさず、とは、君の言だった。
君の言に随うなら、彼を、特別に許せるはずがない。

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