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物語編

第二章 第二四話 対話編

CASE 天 の裏に 人

 

マナミ 地を下に臨む、天って、どういうものなの?
マサシ 天とは、結果を司り、地の上を示すものだよ。
マナミ 地の上で望む、人って、どういうものなの?
マサシ 人とは、原因を司り、地の上で記すものだよ。
マナミ 天の下に、人が表れないと、地は栄えないの?
マサシ そうさ、人を見ない天は、空に過ぎないのさ。
マナミ 天ばかり、身が生まれない、空ってことなの?
マサシ 容れるべき、業が産まれない、器に過ぎない。
マナミ 地の上に、天が現れないと、人は耀かないの?
マサシ そうさ、天を見ない人は、体に過ぎないのさ。
マナミ 人ばかり、欲が生まれない、殻ってことなの?
マサシ 向かうべき、善が産まれない、身に過ぎない。
マナミ 愛すべき、人を容れてこそ、天の器であり、
    崇めるべき、天に向ってこそ、人の命なのね。
マサシ 地の人は、天に愛されていると、見とめて、
    天に代わり、地を栄かえさせれば、良いのさ。
マナミ あくまで、天の命により、地を栄えさせるの?
    天を忘れて、人が生きると、どうなるのかな?
マサシ 命が損われて、遅かれ早かれ、唯の体になる。
マナミ ……………………

 


 

CASE 天 と 地 と 人

 

マナミ この宇宙は、天と地と人で、出来ているの。
サトミ 一つ目の働き、天って、どういうものかな?
マナミ 天とは、結果を与え、規則性を司るものなの。
サトミ 二つ目の働き、地って、どういうものかな?
マナミ 地とは、条件を与え、多様性を司るものなの。
サトミ 三つ目の働き、人って、どういうものかな?
マナミ 人とは、原因を与え、主体性を司るものなの。
サトミ じゃ、この宇宙は、原因と条件と結果なのね。
マナミ 春に為って、稲を植えると、どうなると思う?
サトミ 例年通り、秋に成ったら、収穫できると想う。
マナミ 稲を植える、場が変わると、どうなると思う?
サトミ 収穫量が、増えたり減ったり、変わると想う。
マナミ それに、泣き笑いする者が、人ってことなの。
サトミ この世に、意味を与えるのは、人ってことね?
マナミ そうね、人が居なかったら、天も地も無いの。
サトミ うそ、人が居なくたって、天も地も有るわよ。
マナミ ううん、わたしは、見たことが無いけれど。
サトミ うそだよ、あたしは、見たことが有るもんね。
マナミ ほらね、あなたは、少なくとも居るじゃない。
サトミ ……………………

 


 

CASE 時 と 利 と 和

 

サトミ 天災って、容赦が無くて、ホント怖いよね。
    なんで、自然の仕打ちって、残酷なのかなぁ?
メグミ 天は結果を、地は条件を、人は原因を司るよ。
サトミ 人が、原因を司るのは、どうしてなのかな?
メグミ 人間で、意志から離れる、存在は無いからよ。
    人が集い、和が生じるとき、理想を決めるの。
サトミ 地が、条件を司るのは、どうしてなのかな?
メグミ 地上で、変化から免れる、存在は無いからよ。
    地に拠り、利が変わるとき、理想が換わるの。
サトミ 天が、結果を司るのは、どうしてなのかな?
メグミ 天体で、軌道から外れる、存在は無いからよ。
    天が動き、時が満ちるとき、現実が表れるの。
サトミ 人が集まり、地が変わり、天が裁くのかな?
    それなら、天災であろうと、自業の自得なの?
メグミ そうよ、因を司っているのは、人だからね。
サトミ うそ、そんなのおかしいよ、残酷過ぎだもん。
メグミ でもね、それでも事実だから、仕方ないよね。
サトミ あなたは、あたしの味方を、してくれないの?
メグミ いくら、人を集めたって、現実は変らないよ。
サトミ ……………………

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