第二章 第二七話 問答編
マサシ 天下人(テンカビト)とは、何ですか?
アキラ 天下人は、天に下り、人を降らせる者。
天に下ることなく、人が降ることはない。
覇者の段は、刀を持って、民を切り捨てて、
王者の階では、器を以って、民を受け容れる。
マサシ 覇者(ハシャ)とは、どういうものですか?
アキラ 覇者は、武を持って、地を治めるもの、
結果を重んじて、天意を望むものである。
たとえ、民意を集めても、天意は下りない。
それゆえ、結果を望み、人を捨て地を治める。
マサシ 王者(オウジャ)は、どういうものですか?
アキラ 王者は、徳を以って、人を治めるもの。
過程を重んじて、民意に臨むものである。
たとえ、天意を示しても、民意は集らない。
それゆえ、過程に臨み、人を容れ地を治める。
マサシ 曹操孟徳(ソウソウモウトク)は、誰ですか?
アキラ 後漢の末に、朝廷に官僚として仕えた。
群雄割拠を勝ち上がり、魏王の座に至る。
ただ、頂には立たず、献帝を奉戴し続けた。
様々な才能を発揮して、丞相として活躍した。
後漢末の人物鑑定家、許子将によって、
「治世の能臣、乱世の奸雄」と評される。
法家として、公正かつ苛烈に、法を布いて、
戦乱の時代を、太平の時代まで、民を導いた。
マサシ 劉備玄徳(リュウビゲントク)は、誰ですか?
アキラ 後漢末、黄巾の乱の鎮圧で功績を上げ、
その後は、各地を流浪して人望を集めた。
その途中で、諸葛孔明を三顧の礼で迎える。
明代小説、三国志演義では、主人公を演じる。
ミノ どうして、優しい教えを説かないのですか?
マコト 大峠に際して、真理を蘇えらせるため、
内なる神は、分け御霊を遣わしています。
難く厳しい教えは、此の方で解かれていて、
易しく優しい教えは、他の型が説かれてます。
ミノ わざわざ、分担するのは、どうしてですか?
マコト 同じ神の言、同じ真の理でありながら、
優しい教えと、厳しい教えは、表裏です。
難き側から見れば、補完して見えてますが、
易しい側から見れば、矛盾して見えています。
初々しい魂を、悪戯に惑わさないよう、
厳しい掟を作り、両者は隔されています。
たとえ、こちらから見れば、一目瞭然でも、
命を守り、本分を弁えて、敬して遠ざけます。
ミノ 連携したり、協力したり、しないのですか?
マコト わざわざ、分かれて、担っているのに、
何故に、合わせていく、要が有りますか?
徒に、混ぜ合わせるのは、天魔の所業です。
自らが、授かった命を、厳格に弁えましょう。