第二章 第二八話 問答編
マサシ 塞翁失馬(サイオウシツバ)とは?
アキラ 塞に暮らす、老人の馬が逃げ出したが、
しばらくして、駿馬を連れて戻って来た。
人生は、悪い事も起れば、良い事も起こる。
何が良いのか悪いのか、一概には解からない。
マサシ 吉(キチ)とは、どういうものですか?
アキラ 吉とは、今より、良い事が起こること。
良い事が起こると、吉の線が上がるため、
今より良い事は、今よりも起こり難くなる。
即ち、吉が生まれるとき、凶が埋まれている。
マサシ 凶(キョウ)は、どういうものですか?
アキラ 凶とは、今より、悪い事が起こること。
悪い事が起こると、凶の線が下がるため、
今より悪い事は、今よりも起こり難くなる。
即ち、凶が生まれるとき、吉が埋まれている。
マサミ 近ごろ、忘れようにも、忘れられない、
苦しかった思いが、湧き上がって来ます。
過去に囚われないで、生きるということは、
たとえ、こんな状態で、可能なのでしょうか。
マコト たとえ、どれだけ、囚われていようと、
囚われるようになるまでに、原因があり、
その原因を捨てれば、囚われなくなります。
先ず、何より可能ですから、安心して下さい。
次に、何故、原因を捨てられないのか。
それを、苦しい、嫌であると思う一方で、
反面、好きであると、考えているからです。
それを、見抜けない限りは、捨てられません。
真理を読むほど、潜在意識が反応して、
原因となるものが、浮き上がって来ます。
好きだからこそ、囚われている自分を認め、
好きと嫌いが、表裏である事を悟って下さい。
マサミ 生きる意義を、見失ったような虚しさを、
ひたすら、観察しながら、過ごしています。
悪くはないのですが、やはり苦しいものです。
マコト ただ、観察するのも、一つの手ですが、
原因を見抜ければ、早く過ぎ去りますし、
感謝で受け容れれば、大きな徳を培えます。
苦しい事は、必ずしも悪い事ではありません。