物語編
第二章 第二九話 概念編
第二章 損得勘定
第二九回 得 の裏に 損
得は、欲を持って、欲の良い方を得ること
損とは、欲を以って、欲の悪い法を得ること
得は、先に得をするほど、後から損をすること
損とは、先に損をするほど、後から得をすること
誰かが勝つときは、誰かが勝てないように
自分が得を享けると、他者が損を受けている
誰かが得をすれば、同じだけ、誰かが損をする
我が得を望むと、徳が害われて、損が増えてくる
今から使うときは、後から使えないように
現在に得を享けると、未来は損を受けている
今から損をすれば、同じだけ、後から得をする
今の損に臨めば、徳が培われて、得が増えてくる
損得勘定は、損と得は、総じて、零のこと
損することも、得することも、同じだけあり
損と得に囚われると、同じことが、損に感じて
損と得に捕われないと、同じことが、徳に観じる