第二章 第三二話 問答編
マサシ 天理人欲(テンリジンヨク)とは?
アキラ 天理人欲とは、天の理と人の利のこと。
良くを究めると、飽くに極められること。
人の欲は、思いのまま、良くを突き詰めて、
天の理では、在りのまま、飽くを受け容れる。
マサシ 欲(ヨク)とは、どういうものですか?
アキラ 欲は、自然を解して、善と悪に分ける、
つまり、自我を介して、良くを持つこと。
欲は、陰と陽に分かれる、二元の源であり、
良く諦めるために、良く明らめることである。
マサシ 徳(トク)とは、どういうものですか?
アキラ 徳は、自我を介して、善と悪を合せる、
つまり、自然を解して、良くを解くこと。
徳は、陰と陽を合わせる、一元の源であり、
良く明らめてから、良く諦らめることである。
イヨ 最近、嬉しいことや、悲しいことなど、
何一つ、特別なことは、起きてないのに、
普通の日常に、感動を覚え、涙が流れます。
以前と、余りに違うため、少し恐いほどです。
マコト まさに、それこそ、徳による喜びです。
ただ、生きるだけで、有り難いと感じる、
本来の、魂の姿であり、還るべき境地です。
所謂、歓喜の園ですから、良く覚えて下さい。
盛り上がる分だけ、欲は落ち込みます。
寄せ集めない分だけ、徳は行き渡ります。
前者は、盛んに見えて、脆さを秘めていて、
後者には、静かに見えて、強さを蔵してます。
神の試練から、逃げ出さなかったから、
あなたは、欲を越えて、徳を積みました。
以前よりも、神を近くに、感じるはずです。
天賦の強さで、更なる試練に、挑んで下さい。