第二章　　　修己治人
第三四回　法　の裏に　徳

法治は、理を説くことで、外を治めること
徳治とは、理を解くことで、内に収めること
徳なき法は、内に収めないが、外は治められる
法なき徳では、外は治めないが、内に収められる

欲は、互いに克するほど、損が増えていく
法とは、損を減らすために、欲を抑えること
どれだけ、外を治めても、内に収まらないため
山中の賊は、捕えやすいが、それ故、逃しやすい

欲は、互いに和するほど、得が増えていく
徳とは、得を増やすために、欲を越えること
どれだけ、外が乱れても、内に収められるため
心中の賊は、捉えにくいが、それ故、逃しにくい

修己知人は、己を修めて、人を治めること
心中を修められないと、山中を治められない
法の段は、破るより守る方が、得であると説き
徳の階では、競うより譲る方が、得であると解く