物語編
第二章 第三五話 概念編
第二章 克己復礼
第三五回 先 の裏に 後
先進は、先に進んで、模範となる者のこと
後進とは、後に進んで、模倣をする者のこと
先進は、価値の型となり、道を伝える者であり
後進とは、価値の形となり、道を修める者である
先進は、価値を譲って、後進を育てるもの
無論、後進に得を与えて、先進は損を受ける
しかし、価値が世に伝わり、先進は徳を享ける
即ち、我が道を広めると、得は減るが徳は増える
後進は、価値を辿って、先進に従がうもの
無論、先進に得を捧げて、後進は損を受ける
しかし、価値が我に修まり、後進は得を享ける
即ち、我が道を進めると、損も増えて得も殖える
後進を愛すことも、先進の徳のためであり
先進を敬まうことも、後進の得のためである
道に伴って生じる礼は、すべて我がためであり
徳にせよ、得にせよ、無礼なる者には具わらない